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立教大学がカジノ推進のシンポジウム共催を取り消し 内容も大幅変更

立教大学がカジノ経営者を招いて予定していた国際シンポジウムの共催を取りやめ、内容も大幅に変更したことがわかりました。手続きの問題やギャンブル依存症への配慮がないことが批判されており、豊島区も後援を取り消していました。

立教大学がカジノ経営者3人を招いて開く予定だった国際シンポジウムが学内外から批判を受けていた問題。

時事通信

カジノ関連の国際シンポジウムを中止した立教大学

同大学はこのシンポジウムの共催を取りやめ、マカオ大学の単独主催として内容が大幅に変更されたことをホームページ上で発表した

このシンポジウムを巡っては、「登壇者が推進する立場の人ばかりで、ギャンブル依存症問題などに配慮がない」と批判があったほか、手続き上の問題が指摘されていた。

なお、BuzzFeed Japan Medicalは、6月21日に当初の内容が決まった経緯などについてメールで質問状を送っていたが、立教大学は回答を拒否した。

「大学研究者も登壇」に変更

立教大学が6月28日にホームページ上で紹介し、マカオ大学が公表した変更内容によると、シンポへの立教大の共催は取り消され、会場も立教大学池袋キャンパスからホテルメトロポリタン池袋に変更された。

マカオ大学

変更後の案内。立教大学の共催が取り消され、登壇者も大幅に変えられた

タイトルも、「ビジネスモデルとしての日本型IR〜IRを起点とした地域活性化への課題〜」から、「日本統合型リゾート~健全社会のIRを目指して」に、全体テーマも「日本における健全なIRを目指し、如何にして日本型IRの戦略的、イノベー
ティブ価値を創造し、IRがもたらす可能性ある社会的『負の面』の極小化を実現する
のか~その方策を探る」に変更。

カジノ経営者二人やIR事業を所管している観光庁審議官が講演する他、パネリストとしてマカオ大学のIR学科長など研究者3人らが登壇する内容に変わった。

パネルディスカッションのテーマも、

「IRの功罪。経済的利益と社会コストのトレードオフ適正化を考える、雇用、所得向上、経済成長。ギャンブル依存症、反社会行為、治安維持、マネーロンダリング、負の面の極小化策。カジノ入場税効果、社会の幸福と健全社会のIRを目指して」(案)と、カジノの負の側面に注目した内容に変更された。

なお、この3人の研究者は、4月25日の学部長会議で提案され承認を受けていた顔ぶれだが、立教大学が共催するとして公表していた内容からは外されていた。

立教大「マカオ大学からの要望」 取材回答は拒否

この変更について、同大はホームページ上で、以下のように説明し、広報課は「マカオ大学からの要望で、学内外の批判は関係ない」としている。

これは本日現在の参加予定人数の状況に鑑み、主催のマカオ大学が、よりアクセスの良いコンパクトな会場で、皆様と近しく知見や課題を共有できる形で開催したいとの主旨で判断したものです。(立教大学ホームページより)

立教大学

BuzzFeedは、この内容が決まった経緯や、学内外から批判が高まっていることなどについて取材を申し込み、同大学広報課より「回答するから質問状を送ってほしい」と言われ、21日に、内容が決まった経緯や手続き上の問題、学内外への批判への見解などを質す5項目の質問状をメールで送っていた。

ところが、同大学は回答しないまま、28日夕方に変更したお知らせをホームページに公開。7月1日に電話で問い合わせたところ、広報課は「回答に関してはホームページに載っている限りとさせていただく」として、回答を拒否した。

豊島区が後援を取り消したことへの見解についても、「回答は差し控えさせていただく」としている。

何が問題だったのか?

このシンポジウムが承認を受けたのは4月25日に開かれた大学の学部長会議。

観光学部長から提案された案では、マカオ大学の教授3人とカジノコンサルタントが登壇する内容となっていた。

ところが6月12日に大学のホームページ上で公開された案内には、登壇者に教授3人の名前はなかった。代わりに「新世代カジノ王」と呼ばれるローレンス・ホー氏をはじめとするカジノ経営者3人と観光庁審議官・秡川直也氏の名が挙げられていた。

立教大学

当初、立教大学のホームページに掲載されていたポスター。カジノ経営者3人と観光庁審議官が登壇する内容となっていた

これに対して学内外から批判の声が高まり、当初後援していた豊島区は、「申請時と内容が違うし、中立的な内容でない」として後援を取り消していた。

立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科特任准教授で、ギャンブル依存症に苦しむ人も多いホームレス支援を長年行ってきた稲葉剛さんはTwitterでハッシュタグ「#立教はカジノに魂を売るな」で批判キャンペーンを繰り広げていた。

稲葉さんは今回の変更について、「登壇者や内容が変更され、公開シンポジウムの学内開催を断念したこと自体は歓迎したい。学内外からの批判を無視できなくなった結果であることは明白だが、マカオ大学からの提案による変更という説明をしているのは不可解であり、なぜ大学でこのような偏ったプログラムが当初予定されたのかという我々の批判にも正面から答えていない。豊島区の後援取り消しについても見解を述べておらず、大学は説明責任を果たしていない」と話す。

学内の教職員組合や、ギャンブル依存症問題を考える会代表の田中紀子さんからも批判の声が上がっていた。



Contact Naoko Iwanaga at naoko.iwanaga@buzzfeed.com.

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