カステラの箱に描かれた謎の数字「123って何?」⇒「CMを知らなければ謎の暗号」「世代差が出そう」とさまざまな反応

    「1」皿に載ったカステラ。「2」なつかしの黒電話。「3」時計が描かれています。その意味とは?

    かわいらしい子グマのイラストに引かれて買ってみたカステラ。そのパッケージの側面を見ると、カステラや電話、時計のイラストと一緒に、1、2、3の数字が書かれています。

    いったい、この数字は何なのか……? あのCMを知っている人なら、すぐにピンとくるパッケージが話題です。

    可愛いから買ったんだけど横に書いてある123ってなに🤔 pic.twitter.com/krwdMCjlTq

    — やきいもボーイ(PIZZA BOY) (@boyboyboy2019) February 27, 2024
    Twitter: @boyboyboy2019

    カステラのパッケージ「横に書いてある123ってなに」

    きっかけは2月27日、X(旧Twitter)に投稿された1枚の写真でした。冬場は名古屋市周辺で焼き芋屋を運営しているという「やきいもボーイ」(@boyboyboy2019)さんの素朴な疑問から始まりました。

    デザインがかわいいので、近所のスーパーで何気なく買った文明堂の「おやつカステラ」。そのパッケージを見たところ、側面に書いてある謎の数字が気にになりました。

    「1」のとなりに皿に載ったカステラ。「2」のとなりには、なつかしの黒電話。「3」のとなりには、時計が描かれています。

    パッケージの写真と共に「可愛いから買ったんだけど横に書いてある123ってなに」と素朴な疑問を投稿したところ……4.8万件を超える「いいね」が集まり、こんな反響が出ていました。

    💬 「やっぱ頭に残る曲だよな」
    💬 「もはや知らない人の方が多いんだろうな」
    💬 「CMを知らなければ謎の暗号」
    💬 「知ってる人知らない人ではっきり世代差が出そう」

    SNSでは、すぐに正解がわかった人たちの反応と一緒にジェネレーションギャップを感じるというコメントや、懐かしさを感じるという声が寄せられています。

    数字の正体は、子グマが踊る文明堂のCMソングでした

    やきいもボーイさんがわからなかった数字の正体。それは、1962年にスタートして2023年現在も放送されている洋菓子店「文明堂」のCMソングです。

    子グマの人形たちが踊りながら「カステラ一番、電話は二番、三時のおやつは文明堂」と歌うキャッチーな物。文明堂東京の担当者にBuzzFeed編集部が取材したところ「主に関東圏を中心に流れているCMで、まれに全国放送もしていた」ということでした。

    パッケージの写真を投稿した、やきいもボーイさんは山形県出身だったことで、見た覚えがなかったのかもしれませんね。

    文明堂のCM「カンカンダンスカラー篇」

    YouTubeでこの動画を見る

    youtube.com

    やきいもボーイさんに、お話をうがかいました

    ――文明堂のカステラのCMをご覧になったのは今回が初めてですか?

    CMの映像は、コメント下さった方が紹介してくれたもので初めて見ました。

    ――文明堂のカステラはいつごろ、どこで購入したものでしょうか?また購入したのは初めてですか?

    2月27日、近所のスーパーでたまたま見つけて購入しました。文明堂のカステラ自体は今までどこかで食べたかもしれませんがわかりません、あのパッケージのカステラを買ったのは昨日が初めてです。

    ――今回の投稿には4万件の「いいね」がつきましたが、大きな反響をどう感じていますか?

    ここまで反響があるとは思いもしませんでした、知らないのがまるで自分だけのような気がして、もはや文明堂さんに失礼な気さえしています(笑)

    そして色々な方が教えて下さってありがたいですし、皆さんが揃って同じフレーズを書いていらっしゃるのを見て、とてもほっこりしています。

    ・・・・・・

    60年以上前から、歌詞もダンスも変わらない文明堂のCM

    今回話題になった文明堂のCMですが、じつはダンスを踊る子グマや歌詞の内容自体は60年前から変わっていません。

    もちろん、年代によって映像に違いはありますが、文明堂のマスコットキャラクター「カンカンベア」がカンカンダンスを踊るのも、「カステラ一番、電話は二番三時のおやつは文明堂~」のフレーズも同じ。60年以上にわたって、この歌とダンスで放送されているのです。

    文明堂東京の公式サイトによると、1951年の民放開局のころから、カステラを気軽に買える身近なお菓子にするために、当時最先端だったテレビCMを流していたと書かれています。

    しかし、当初はカンカンベアではなく、アニメや人形劇など、いろいろなパターンを試したそうです。そして、10年にわたる試行錯誤の結果、今の原型となるモノクロのカンカンダンスCMが誕生しています。

    1960年代放映「 カンカンダンスモノクロ篇 」

    YouTubeでこの動画を見る

    youtube.com

    1980年代には、実際にマリオネットを操っているオーストラリア人のノーマン・バーグさんが出演するバージョンも作られました。 ぬいぐるみは、ナンシー夫人の手作りだそうです。ほっこりするエピソード……!

    1980年代放映「ノーマン・バーグ出演篇」

    YouTubeでこの動画を見る

    youtube.com

    その後、1990年以降からはカラー篇へ移行。こちらは現在でも放映中です。CMとしては原点に立ち返り、初代のモノクロ篇をリメイクしたバージョンとのこと。

     TV以外のメディアの台頭などで、今だと見る機会は減っているかもしれませんが、おそらく一番見た人が多いCMは、このカラー篇ではないでしょうか。筆者が見たのも、このバージョンです。

    なぜ、カステラが一番で電話は二番なのか?

    ちなみに、CMでも使われ、パッケージにも書かれている「電話は二番」のキャッチフレーズについて、SNSでは「なぜ、二番なんだろう」という疑問の声が挙がっていました。それについても、文明堂東京の公式サイトに解答があります。

    それによると電話が普及した1890年代に電話と電話の間に「交換手」と呼ばれる人が存在したことが理由のようです。

    当時は電話をかける際には、電話交換手に番号を伝えて繋いでもらう仕組みでした。そこで交換手さんに伝える文明堂の番号を各地域で「二番」にしていたことが由来となっています。

    やきいもボーイさんの素朴な疑問をきっかけに、SNSでは文明堂のCMにまつわる想い出話も飛び交いました。

    時代を越えて愛されている文明堂とカンカンベア―のCMは、これからも「カステラ1番~♪」の歌詞とともに流れ続けていくのでしょう。