「モンベル」の多目的トイレが話題になった理由

    アウトドアブランド「モンベル」の多目的トイレが充実している理由とは。

    アウトドアブランド「mont-bell(モンベル)」の品川店にある多目的トイレが、「豪華」だとTwitterに投稿され、話題になりました。

    いったい、どういうことなのでしょうか……?

    なんと「大人用の介護ベッド」まで!

    mont-bell品川店に豪華な多目的トイレが! なんと大人用の介護ベッドまである! 障害児が大きくなってベビーベッドだと小さい場合があるので、大人用ベッドはかなり大事。 しかも!聞いたら多目的トイレは殆どの店舗(全店舗?)に完備しているらしい。 mont-bell気合入りまくってる!

    Twitter:@saitoumokichi / Via Twitter: @saitoumokichi

    投稿したのは、車椅子を使って生活を送る三代さん(@saitoumokichi)。普段からバリアフリーに関する情報を発信しています。

    「mont-bell気合入りまくってる!」

    こんな三代さんの投稿には、「広いね」「これはありがたいー!なかなかベッドはないんだ」などのコメントが寄せられています。

    BuzzFeed Newsの取材に応じた三代さんによると、この店舗に入った時、まず驚いたのは、そもそも多目的トイレがあること。ショッピングモールなど大きな施設をのぞくと、多目的トイレがある店舗は珍しいからです。

    三代さん提供 / Via Twitter: @saitoumokichi

    もうひとつは、ベビーベッドだけでなく「大人用の介護ベッド」があったこと。こうした設備までが整っているのは希なことだといいます。

    三代さんは「障害児が大きくなると、ベビーベッドだと小さい場合があるので、大人用のベッドはかなり大事」とツイートしました。

    バリアフリーに力を入れるモンベル

    三代さん提供 / Via Twitter: @saitoumokichi

    どうして、多目的トイレ内の設備が充実しているのか。

    モンベルの広報担当者によると、品川店ではビルを購入した時にすで設備が揃っていたとのことですが、ほかの店舗の多くでも、自主的に多目的トイレを導入しているといいます。

    きっかけは若者との出会い

    時事通信

    1975年にモンベルを創設したモンベルの創業者である辰野勇会長はかねてから、パラスポーツとの関わりを持っています。

    そのきっかけはある日、脳性麻痺を患う若者から「障害者でもカヌーができませんか?」と尋ねられたことにありました。

    榊原典俊氏(現・青葉仁会理事長)とともに「カヌーなら障害があってもできるのでは」と動き出し、1991年には、奈良県で障害者カヌー「パラマウント・チャレンジ・カヌー」のイベントを開催しました。

    モンベルでは「カヌーの楽しさを障害を持つ人たちに知ってもらいたい、障害者も自立した一人の人間として見てほしい」との願いを持って、いまでも日本障害者カヌー協会の活動のサポートを続けているそうです。

    また、こうしたことから、社内にもバリアフリーの動きが広がりました。

    「車椅子に乗るスタッフが採用され、トイレなどが車椅子対応になり、社内のバリアフリー化がはじまりました」(モンベルの広報担当者)といいます。

    「粛々と整えていく」

    Loveshiba / Getty Images

    辰野会長が示すバリアフリーの方針は、「特別なことはせずに必要最低限の設備を粛々と整えていく」こと。

    できることを着実に進めようと、2003年10月には、渋谷店を都内で初めて自社ビルに入る店舗としてオープンし、多目的トイレを設置しました。

    それ以降、続々と他の店舗に導入するように。今では、多目的トイレを備えた店舗は、全国に約20店舗あるといいます。

    いずれも車椅子に乗ったままでも利用するのに困らない、十分なスペースと機能を確保。一部の店舗では、車椅子ユーザーが使える試着室があるそうです。

    ひとつの「豪華なトイレ」の裏側には、こうしたストーリーが隠されていたのです。

    バズフィード・ジャパン ニュースインターン

    Contact Kyoka Kodama at kyoka.kodama@buzzfeed.com.

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