2月7日に開催された北京オリンピックのスキージャンプ混合団体で、4位という結果を残した日本チーム。
1番手として登場した高梨沙羅選手が、1回目のジャンプ後に「スーツの規定違反」による失格を言い渡されたことが、波紋を広げています。
高梨選手は2月8日、自身のInstagramに真っ黒な画像を投稿。謝罪の言葉と悲痛な心境を綴った高梨選手に、多くの励ましのコメントが寄せられています。
失格の知らせに号泣
この日、高梨選手は1回目の飛躍で103mを記録するビッグジャンプを見せましたが、失格となったため、得点は取り消しに。
スポーツ報知によると、鷲沢徹コーチはスーツの規定違反について、「太ももまわりが規定より2センチ大きかった」と説明。
スーツは個人戦で着用したものと同じだったといい、「スタッフの確認不足。本人は与えられたスーツしか着ないので、これでいいと思って自信をもって飛んでいる。僕たちの計測ミス」と話しました。
高梨選手は涙を流しながらも、再び1番手として2回目のジャンプに挑戦し、98.5メートルを記録。
チームは4位入賞という成果を残しましたが、高梨選手は2回目のジャンプを終えた後も再び涙を流していました。
この競技では、オーストリア、ドイツ、ノルウェーからも同じ理由で4人の選手が失格を言い渡され、波乱の結果に。
失格となったドイツのカタリナ・アルトハウス選手は、自身のInstagramで国際スキー連盟(FIS)を激しく批判し、「今日の決定に言葉を失っています。この結果、私たちのスポーツが台無しになりました。アスリートと彼らの夢が壊されました」と投稿しました。
「私の失格のせいで皆んなの人生を変えてしまった」
高梨選手のInstagram投稿には、真っ黒な画像とともに、チームや関係者に対する謝罪の言葉と悲痛な心境が綴られていました。全文は以下の通り(原文ママ)。
日本チームを応援して下さっている全ての皆様
今回、私の男女混合団体戦での失格で日本チーム皆んなのメダルのチャンスを奪ってしまったこと、そして、今までチームを応援してくださった皆様、そこに携わり支えて下さった皆様を深く失望させる結果となってしまった事、誠に申し訳ありませんでした。
私の失格のせいで皆んなの人生を変えてしまったことは変わりようのない事実です。
謝ってもメダルは返ってくることはなく
責任が取れるとも思っておりませんが
今後の私の競技に関しては考える必要があります。
それ程大変なことをしてしまった事深く反省しております。
そして、私のせいでメダルを取れなかったにも関わらず、最後の最後まで支え続けてくれた有希さん、幸椰さん、陵侑、そして日本チームのメンバーの皆さま、スタッフの皆さまには感謝してもしてきません。
こんな私を受け入れてくれて本当にありがとうございました。
この度は本当に申し訳ありませんでした。
高梨沙羅
私が言える立場ではない事は重々承知の上で言わせていただけるなら、どうかスキージャンプとゆう素晴らしい競技が混乱ではなく選手やチーム同士が純粋に喜び合える場であってほしいと心から願います。
「あなたがスキージャンプに与えてる影響に比べればなんてことないで」
投稿には2月10日時点で、5万5000件を超えるコメントが寄せられています。その多くが、高梨選手の健闘を称える声や高梨選手を心配する声です。
プロスノーボーダーの角野友基さんは高梨選手を励ますようにコメント。
誰も気にせーへんから!!あなたがスキージャンプに与えてる影響に比べればなんてことないで。
このコメントに、混合団体に出場したメンバーであり、男子ノーマルヒル金メダリストの小林陵侑選手も「そゆこと!」と返信しています。
カーリング女子日本代表の吉田知那美選手も、あたたかい言葉を贈りました。
沙羅ちゃんにはいつも勇気しかもらってないよ。深みのある人生を生きてる沙羅ちゃんを尊敬しています😌with the hugest ❤️
スキージャンプ混合団体に出場し、同じく「スーツの規定違反」で失格となったドイツのカタリナ・アルトハウス選手やノルウェーのシリエ・オプセト選手も、高梨選手の気持ちに寄り添うように「❤️」と記しました。