アメリカ・ニューヨーク在住のスミッソン・マイケルさんは、2020年12月からブロンクスエリアを中心にフードデリバリーの配達員として働いています。
スミッソンさんが配達員の仕事の実情を訴えた動画が、TikTokで拡散されました。
動画でスミッソンさんは、涙ながらに語ります。「デリバリーサービスの配達員の仕事について知ってほしい。1ドルちょっとのチップのために、1時間も運転してまわる。僕たちにチップを、たとえば5ドルを渡すのは、みんなにとってそんなに厳しいことなのかな」
スミッソンさんによると、チップの額は0〜4ドルの範囲がほとんどだそうです。
また、配達員にはどうしようもできない理由で、チップを渡されないことも多いといいます。
問題はチップだけではありません。スミッソンさんは他にも動画を投稿し、デリバリーサービスを提供する会社側も、配達員への手当をより充実させてほしいと訴えています。
動画には、仕事のために破損したスミッソンさんの車が写っています。
配達員はデリバリーのために、自家用車を使います。毎日配達員として働いている人は、そのぶん車を酷使することになります。
デリバリーサービスを提供する米Uberは、ドライバーがタイヤとオイル交換を15%オフでできるよう、一部の店舗と提携しています。また同社のウェブサイトには、「AT&T、Sprint、Verizonと提携。ドライバーは月々の通信料金を8〜22%節約できる」とあります。
しかしスミッソンさんは「配達員の仕事のすべての側面に対して、会社が対価を支払えているわけではない」と話します。
スミッソンさんは、雪の日の配達について振り返ります。昨年の春、ニューヨークは大雪に見舞われました。
スミッソンさんは、配達員の事情をより多くの人に知ってもらうため、そして変化を求めて動画を撮影し、投稿しているといいます。「すべてのデリバリーサービス会社は、配達員にもっとお金を支払うべき」
「配達員は昼夜を問わず、あらゆる天候の中で運転し、歩き、スクーターで移動し、自転車に乗っている」
「気象・交通条件、犯罪の危険性も考慮してほしい。外は危険だから」
「誰もチップをくれない場合、8〜10時間のシフトで働いても、30〜40ドルしか手に入らないことになる」
「いまやデリバリーサービス会社は、何十億も利益を上げるような大企業だ。給与についていろいろ発表しているけれど、その数が本当に正確ですべての従業員に当てはまっているわけではないと知ってほしい」
この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:髙橋李佳子