九州の熊本県や鹿児島県で7月4日から記録的な大雨が降り、熊本県の人吉市では球磨川の堤防が決壊したりして広範囲に浸水し、被害が広がっています。
気象庁は7月6日午後4時半、長崎県、佐賀県、福岡県に大雨特別警報を発表しました。
気象庁によると、今後も土砂崩れや浸水が発生する可能性があり、梅雨前線が西日本から東日本に停滞しているため、各地で警戒が必要です。
もし、あなたが被災したら、どんな支援が受けられるのでしょうか。そのために被災後にまずすべきことは、なんでしょうか。
1:被災をしたらまず写真を
災害があったらすぐ家の被害状況を記録しておくことが大切です。公的支援に必要な「り災証明書」の取得に必要になるだけではなく、民間の保険の申請などにも活用できます。
どのように記録すればよいのか。内閣府が公表している3つのステップは以下の通りです。
(1)建物の全景を撮る
- なるべく4面を撮影する
- 写真は役所に提出する 撮影はスマートフォンでもOK。過去の災害では、写真が印刷できない場合スマホ画面の提示で応じた自治体もあったといいます。
(2)浸水した深さを測る
- メジャーを使って水に浸かった深さを測定する
- 測定場所がわかる遠景を撮影する
- メジャーの目盛りがわかる近景を撮影する
(3)被害箇所を撮る
- 被害箇所ごとに遠景と近景の2枚セットで撮影する。指差し確認をしながら撮影すると良い。
- 身を危険にさらしてまで撮影する必要はありません。撮れる状況になった、片付けの前などに撮影してください。
- 指差し確認をしながら撮影する箇所主な被害箇所外壁、屋根、基礎、内壁、天井、床、ドア、ふすま、窓、キッチン、浴室、トイレなど
出典:内閣府「り災証明書を取得するための被害写真の撮り方」、「罹災証明書」および取材を元にBuzzFeed Japanが作成
2:全壊、半壊ってどういう基準なの?
災害にあったら、支援を受けるために必要になるのが「り災証明書」です。
撮影した写真を持って区市町村に申請しましょう。調査を経て証明書が交付されます。被害の程度は、損害割合によって以下のように区分けられています。
大規模半壊:40%以上50%未満
半壊20%以上:40%未満
一部損壊(準半壊):10%以上 20%未満
一部損壊:10%未満
出典:内閣府「令和元年台風第 19 号における住家の被害認定調査の 効率化・迅速化に係る留意事項について」「被災者生活再建支援制度の概要」「災害救助法に基づく住宅の応急修理に関するQ&A」および取材を元にBuzzFeed Japanが作成
3:被害に遭ったら受けられる支援は?
災害の程度にもよりますが、被災した人が受けられる支援制度には主に以下のようなものがあります。
給付:被災者生活再建支援金、義援金など
低利融資:災害援護資金、災害復興住宅融資、国の教育ローンなど
減免・猶予:被災ローン減免制度、税金や保険料、高校や大学の授業料、公共料金、NHKの受信料など
現物支給:応急修理制度、災害救助法に基づく応急仮設住宅など
「被災者生活再建支援制度」では、全壊・解体・長期避難の世帯を対象に最大300万円、大規模半壊の場合でも最大250万円の支援金(いずれも世帯人数が一人の場合は4分の3)を受けることができます。
「応急修理制度」は一部損壊をのぞく世帯に対し、自治体が業者への修理費用を肩代わりする制度です。半壊または大規模半壊の被害を受けた世帯では最大59万5千円分、一部損壊(準半壊)の場合は最大30万円分の支援が受けられます。
なお「応急修理制度」は、仮設住宅に入っていない場合に受けられる制度です。自分で先に業者に依頼をしたり、支払いを済ませたりしていると対象外になります。
また、住宅ローンなどの返済が困難になった場合は、債務整理のために被災者向けの減免制度を利用することもできます。ブラックリストに掲載されないほか、義援金や支援金をのぞく500万円が手元に残せるなどのメリットがあります。
出典:内閣府「災害救助法に基づく住宅の応急修理に関するQ&A」「被災者支援に関する各種制度の概要」「公的支援制度について」および取材を元にBuzzFeed Japanが作成
4:水災補償、入ってる?
公的な支援だけでは住宅の再建や修理費用が賄えないかもしれない。
そうした状況で頼りになるのが、民間の火災保険や共済です。ただし、契約には必ずしも「水災補償」がセットされているわけではありません。
また、セットされている場合でも家財が含まれているか、どのような損傷状況で適用されるかなど、細かい条件を確認することが大切です。
内閣府も「建物被害の程度にかかわらず、家財が大きく被害を受け再購入が必要になる場合もあることから、持ち家の場合は、建物の補償と家財の補償の双方で備えることが望ましい」と呼びかけています。
出典:内閣府「いざというときに備えて保険・共済に加入しよう」、日本弁護士会「被災ローン減免制度Q&A」および取材を元にBuzzFeed Japanが作成
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