加計学園の獣医学部新設をめぐり、萩生田光一官房副長官が文部科学省の局長と面会した際の発言内容をまとめたとする文書が新たに見つかった。
なぜ、新たな文書が注目を浴びているのか。NHKの報道によると、文書は2016年10月21日のもの。今治市が特区に選ばれる前、加計学園が事業者に選ばれる前の発言内容だ。
そもそも、獣医学部新設に関する特区には、今治市だけではなく、京都府も名乗りをあげていた。
国家戦略特区諮問会議(議長・安倍晋三首相)が獣医学部新設を認めたのは2016年11月。「空白地域」に限るという条件がつけられたため、すでに獣医学部のある関西圏の京都府は脱落した。
その後、加計学園が事業者に選ばれたのは2017年1月だ。
つまり文書からは、今治か京都か決まっていない段階から、政府が「今治・加計ありき」で話を進めているようにも受け取れる。
萩生田副長官をめぐっては、新設条件の文言を「広域的に存在しない地域に限る」と修正するよう指示があったと記されたメールが文科省の再調査で見つかっていた。
この条件修正により、加計学園の獣医学部新設が確実になった。同じく特区に応募しようとしていた京都産業大学のある関西圏には、すでに獣医学部があったからだ。
萩生田副長官はこの件についても6月17日、「指示を出したことがない」と否定。山本地方創生担当大臣は、内閣府の調査でメールが確認できたとしたうえで、修正は自らの指示であったことを明らかにしている。
今回の文書が見つかったことにより、文科省と内閣府との間の食い違いはさらに広がることになる。