• factcheckjp badge
Updated on 2019年9月28日. Posted on 2019年9月23日

「イラン軍がアメリカのドローンと交戦」動画が拡散、実際は…

「イラン軍がアメリカのドローンと交戦している」とされた動画は、ペルシャ語で9月9日、「昨晩撮影されたもの」としてYouTubeにアップされていた。その後、動画は英語圏でも拡散。日本でも同様に広がったとみられている。注意が必要だ。

イラン軍がアメリカのドローンと交戦している、という動画が拡散している。結論からすると、これは「虚偽」だ。BuzzFeed Newsはファクトチェックを実施した。

Twitterより

《イラン軍が、アメリカのドローンと交戦した様子らしいけどアメリカのドローンが異次元すぎてイラン軍は手も足も出ない…
9月9日の出来事だから先週の話です 現代の戦争って高性能なドローンを持っているか否かで勝敗が決まりそうだね》

このような言葉とともに9月19日にツイートされた動画は一気に拡散。21日夜現在で、1万5千以上「いいね」がついており、50万再生を超えている。

自民党の衆議院議員で元防衛副大臣の長島昭久氏も、この動画について「ドローン攻撃の威力を再認識させられる」とツイートしている。

ドローン攻撃の威力を再認識させられる映像だ。サイバー空間、宇宙空間に加え、高度15-150mの「新たな空間」が戦争の様相を劇的に変える可能性。この点を十分認識し、作戦・戦術思想から防衛装備体系に至るまで総検証が必要となるだろう。心して臨みたい。 https://t.co/wsrKDFMFCg

長島議員はアメリカ・ワシントンD.C.のジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院(SAIS)で修士号を取得。民主党政権時代には防衛副大臣を務めた安保問題の専門家だ。

その後、外部からの「民間の射撃イベントです」という指摘に対し、「ご指摘有難うございます。以後リツイートの際には注意します。感謝」とリプライしている。

指摘の通り、これは「ドローン攻撃」の映像ではない。アメリカで開かれている「マシンガン射撃大会」の動画だとみられている。

Facebook: ufoofinterest

「Big Sandy Machine Gun Shoot」という、アメリカで開かれている世界最大のマシンガンの「祭典」で撮影された、ラジコン飛行機を撃ち落とす夜間射撃イベントのものとみられている。

「Big Sandy」の公式Facebookアカウントも、UFO関連のファクトチェックをしている団体の質問に対し、「確かに自分たちのイベントの動画のようにみえる」と回答

ただし、「数百人の参加者がさまざまなカメラを使用しているため、フレームごとに比較する簡単な方法はない」としている。

実際、別アングルから撮影した同様のイベント動画は多くYouTubeにアップされている。

YouTubeでこの動画を見る

youtube.com

今回の動画については、フランス人ジャーナリストが、別アングルから同じイベントを撮影したものとみられる動画(上掲)を発見している。公開日は2019年3月27日だ。

一方、「イラン軍がアメリカのドローンと交戦している」とされた動画は、ペルシャ語で9月9日、「昨晩撮影されたもの」としてYouTubeにアップされていた。

アップしたアカウントは、「イランでの公開処刑」とする映像やイラン国内での事故、イラン政府を批判する意見などを中心に公開しており、イランの現体制に不利、あるいは批判的なものばかりを集めている。政治的な意図を持った虚偽の可能性が高い。

その後、動画は英語圏でも拡散。日本でも同様に広がったとみられている。自分が意図しなくても、こうした虚偽の情報の拡散に関与してしまう可能性がある。拡散前に精査が必要だ。

BuzzFeed JapanはNPO法人「ファクトチェック・イニシアティブ」(FIJ)のメディアパートナーとして、2019年7月からそのガイドラインに基づき、対象言説のレーティング(以下の通り)を実施しています。

ファクトチェック記事には、このレーティングを必ず記載します。ガイドラインはこちらからご覧ください。

正確 事実の誤りはなく、重要な要素が欠けていない。

ほぼ正確 一部は不正確だが、主要な部分・根幹に誤りはない。

不正確 正確な部分と不正確な部分が混じっていて、全体として正確性が欠如している。

ミスリード 一見事実と異なることは言っていないが、釣り見出しや重要な事実の欠落などにより、誤解の余地が大きい。

根拠不明 誤りと証明できないが、証拠・根拠がないか非常に乏しい。

誤り 全て、もしくは根幹部分に事実の誤りがある。

虚偽 全て、もしくは根幹部分に事実の誤りがあり、事実でないと知りながら伝えた疑いが濃厚である。

判定留保 真偽を証明することが困難。誤りの可能性が強くはないが、否定もできない。

検証対象外 意見や主観的な認識・評価に関することであり、真偽を証明・解明できる事柄ではない。

UPDATE

Contact Kota Hatachi at kota.hatachi@buzzfeed.com.

Got a confidential tip? Submit it here