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東京マラソン、初参加のはずだった… 新型コロナで一般参加中止、あるランナーの思い

東京マラソンでは、フルマラソンと10キロの部で計3万8000人の一般参加者の出場が予定されていた。一定の記録をクリアしている「エリート選手」のみで実施する方針で、200人ほどの規模になるという。

新型コロナウイルスの感染拡大にともない、3月1日に予定されている東京マラソンの一般参加が中止されることが明らかになった。朝日新聞などが報じた。

全国からランナーの集う人気の大会で、今大会の倍率は11倍だった。抽選を勝ち抜き、初参加に胸を踊らせていたあるランナーに、思いを聞いた。

NHKによると、東京マラソンでは、フルマラソンと10キロの部で計3万8000人の一般参加者の出場が予定されていた。一定の記録をクリアしている「エリート選手」のみで実施する方針で、200人ほどの規模になるという。

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、大会側は2月14日、1800人ほどいた中国在住者の参加の自粛を要請していた。その後、国内での感染の広がりが確認されていることから、一般参加の中止に踏み切ったという。

「新型コロナウイルスの感染が広まってから心配はしていましたが、今回の決定はとても残念です」

そうBuzzFeed Newsの取材に語るのは、東京マラソンへの初めての参加を予定していた都内の30代女性だ。これまで食事コントロールや禁酒、トレーニングに励んできたという。

「東京で生まれ育ったので、いつか東京マラソンで走ってみたいなと思っていて、去年当選してからとても楽しみにしていました。本当に走りたかったし、悲しいです……」

とはいえ、新型コロナウイルスの感染が東京都内、さらには国内でも広がっていることには危機感も覚えている。今回の決定についても、異論はないという。

「決定に関しては正しい判断だったと思います。ギリギリの判断ではありますが、運営側もギリギリまで実施できるように頑張ってくれていたと思うので、しょうがないかと思います」

「今週末、熊本や京都のマラソンでマスクして走っている人たちの姿をみて、私はあれじゃ走れない……と思っていたので。今後どう広がっていくかわからないウィルスに対して、早めに決断してくれてよかったです」

気になるのは「優先権」

中国在住のランナーについては来年の出走権が与えられた一方で、参加料の返金はされない。ただし、来年大会に参加する場合は、参加料が免除になるという。

女性は、一般参加者についても、来年大会の優先権や、Tシャツなどのノベルティがもらえることを願っている。参加費(国内1万6200円)については「仕方ない」という気持ちだ。

「運営側はどちらにしても頑張って働いてくださっているので、返金はなくても仕方ないかなと思っています。その分、来年以降の出場権がもらえたら嬉しいです。走りたい気持ちは変わらないので」

「対応は大変かと思いますが、報道ばかりで情報がまだ何もないので、これからの流れについては早く知りたいです。簡単にでもいいので、メールで公式なお知らせは欲しいと思います」

東京マラソンは、オリンピックの選考も兼ねている。女性はエリート枠のランナーたちに、こうエールも送った。

「東京オリンピックの選考が今回のマラソンで決まる枠があるので、エリート枠に出場する選手には、私たちの分まで頑張ってほしいです!」

UPDATE

当初記事で中国在住者に関しては「来年大会に参加する場合も、別途参加料が必要になるという」としておりましたが、正しくは「来年大会に参加する場合は、参加料が免除になるという」でした。また、一部文中表記も合わせて修正いたしました。