豪雨被災地に支援物資、逆に混乱? 熊本市長が呼びかけたこと

    豪雨災害を受け、市長が「いまは金銭的支援を」と呼びかけた。

    西日本で拡大する豪雨災害。死者は100人を超え、平成最悪の事態となっている。

    各地で救援活動が進み、寄付や支援活動も始まろうとしているなか、熊本地震で陣頭指揮に当たった大西一史市長が「個人の支援、いまは物資より義援金を」と呼びかけた。

    熊本地震の際全国から物資が大量に届き本当に有難い反面、発災直後のマンパワー不足で物資のハンドリングで大混乱。恐らく今現地はそういう状況にあると考えられます。物資の洪水を防ぐためにも言いにくい事ですが個人の方々の支援は今は物資より義援金など金銭的な支援が一番良い方法だと思います。 https://t.co/2vW6eeYTsl

    大西市長は自らの経験から、現場が混乱しているであろう発災初期のいまは、「物資の洪水を防ぐためにも、今は義援金など金銭的な支援が一番良い」とTwitterで呼びかけている。

    実際、熊本地震では、大量に届いた支援物資が被災者に行き渡らない、という事態が発生していた。

    なかでも個人による支援物資が、混乱を招きやすいという。

    一般財団法人「消防防災科学センター」でも、以下のような記事を掲載している。

    災害が発生すると全国から救援物資が被災地に殺到し、被災地自治体の災害対応に大きな困難をもたらすという「送り主の善意が裏目に出る」事態がしばしば発生します。

    救援物資は被災地にはありがたいものですが、他方では、被災地の防災力を削ぎ、大混乱をもたらすものになりかねない側面を有しています。そして、この傾向は個人からの救援物資において特に顕著です。

    こうした混乱を事前に避けるため、2007年の新潟県中越地震では、個人からの救援物資の受け入れを辞退するというケースもあったという。

    今回の豪雨災害でも、浸水被害の激しい岡山県倉敷市では、橋に置かれた支援物資が救助の妨げになる、という事態が発生した。

    倉敷市からのお願いです。現在、倉敷市では個人の方からの救援物資を受け付けていませんが、真備町川辺橋前に沢山の支援物資が置かれており、自衛隊の通行の妨げになり困っています。お気持ちは大変ありがたいのですが、支援物資を川辺橋前に置かないようお願いします。

    もちろん、今後支援物資が一切必要ない、というわけではない。

    被災地の状況は刻一刻と変わるため、その時の現地のニーズにあった対応が必要になる。