豪雨のシーズンが近づいています。もしものとき、あなたや大切な人の命を守る「警戒レベル」が5月20日、災害対策基本法の改正をうけ、変更されました。
これまであったレベル4の「避難勧告」が廃止され、「避難指示」に一本化。さらにレベル5も「災害発生」でなく「緊急安全確保」となります。
今後は、レベル4の段階までに、安全な場所に避難するようにしましょう。
警戒レベルは、2018年の西日本豪雨を教訓として、翌年から導入されました。
内閣府によると、今回の変更の背景には、「避難勧告で避難しない人が多い中で、警戒レベル4の中に避難勧告と避難指示(緊急)の両方が位置づけられわかりにくいとの課題」があったといいます。
これから、レベル4は「避難指示」に一本化されます。災害のおそれが高い状況ですので、発令された場合は、すぐに安全な場所に避難しましょう。
「避難」とは指定された避難所に行くことに限りません。危険だと判断した場合は無理に避難所に向かわず、近くにあるコンクリート造の建物などの上層階(崖から反対側)や山から離れた小高い場所などに避難をするようにしてください。
なお、レベル3についても「避難準備の情報」から「高齢者等避難」に変わりました。この時点では、高齢者や身体が不自由な人は、すぐに避難をはじめましょう。
「レベル5」の前に避難を!
また、すでに災害が発生・切迫している状況で出されるレベル5についても、避難することそのものが危険である可能性から、「直ちに安全確保する必要がある」という趣旨の「緊急安全確保」に変わりました。
レベル5では、命の危険が近づいていることから、緊急かつ最善の行動を取るようにしましょう。
すでに外に出ることができない場合は、避難せずに自宅のできる限り高い階の崖から反対側に避難する「垂直避難」を心がけましょう。
なお、内閣府もこの状況は「避難し遅れた」人に向けたものであり、「行動をとったとしても身の安全を確保できるとは限らない」と呼びかけているので、レベル4までの避難が重要です。
タイムラインを再確認!
警戒レベルは、必ずしも1から5の順番で発表されるとは限りません。
状況が急変することもあります。市町村から避難情報が発令されていない場合でも、防災気象情報を参考にしながら、適切な避難行動をとりましょう。
雨が降ってから、特に暗くなってからの避難は危険。事前に避難をする心がけが大切です。気象庁が呼びかけている時系列は上にある図の通りです。
気象情報に留意し、ハザードマップを確認して、早めに避難経路や移動手段について計画しておきましょう。
防災アプリでいまいる場所の危険度などをその都度、把握することも大切です。
大切な命を守るため
また、危険が差し迫る前に、自治体が指定する避難場所に住民の避難を促す「予防的避難」もあります。2012年7月の九州北部豪雨災害後、熊本県が取り入れました。
離れたところや安全なところにある知人や親戚の家に避難するのも有効な選択肢です。
自分や大事な人の命を守るのは自分自身であることを意識して、情報収集と早めの行動を心がけてください。
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