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森会長、辞任は否定「邪魔だというなら、老害は…」女性差別発言で謝罪も

辞任については否定した。「女性がたくさんいる会議は時間がかかる」などという発言に対しては、国内外から批判が殺到。辞任を求める声もあがっていた。

女性差別発言をした東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会長の森喜朗元首相(83)が2月4日に都内で会見を開き、「オリンピック・パラリンピックの精神に反する不適切な表現であった」と謝罪、撤回した。

辞任については否定した。「女性がたくさんいる会議は時間がかかる」などという発言に対しては、国内外から批判が殺到。辞任を求める声もあがっていた。

朝日新聞によると、問題の発言があったのは、2月3日にオンラインで開かれた日本オリンピック委員会(JOC)の臨時評議員会。

女性理事を増やそうというJOCの方針に対する個人的な意見として、以下のように述べたという。

「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかります」「女性っていうのは競争意識が強い。誰か1人が手をあげていうと、自分も言わなきゃいけないと思うんでしょうね。それでみんな発言されるんです」

その上で、「結局、あんまりいうと、新聞に書かれますけど、…女性を必ずしも数を増やしていく場合は、発言の時間をある程度、規制をしていかないとなかなか終わらないで困る」と続けたという。

なお、JOCは理事25人のうち女性が5人しかおらず、スポーツ庁がまとめた指針に基づいて、女性の割合を40%以上に引き上げることを目標としている。

殺到した批判を受け、会見を開いた森氏が語った内容は以下の通り。

「ご心配いただいていることに恐縮をしております。昨日の発言につきましては、オリンピック・パラリンピックの精神に反する不適切な表現であったと認識いたしております。まず、深く反省をしております。そして、発言を撤回し、不愉快な思いをされた皆様にはお詫びを申し上げたい」

「オリンピック・パラリンピックにつきましても男女平等が明確にうたわれております。アスリート、スタッフも多くが女性活躍しておりまして、大変感謝しております。私たちの組織委のことを申し上げたことではなく、円満にうまくいっている」

「大会まで半年になりまして、関係者一同一生懸命頑張っておられる。その責任者である私がみなさんのお仕事に支障があることになってはいけない。そう考えて、お詫びをし、訂正をすることを申し上げた」

「世界のアスリートを受け入れる都民、国民、IOC・IPCをはじめとした国際的な関係者にとっても、オリンピック・パラリンピック精神に基づいた大会が開催できますように、引き続き、献身し、努力していきたい」

冒頭発言ののちに質疑応答があったが、辞任については「考えはありません」と明確に否定。以下のように述べた。

「私は一生懸命献身的にお手伝いして7年間やってきたわけですので、自分からどうしようという気持ちはございません。皆さまから邪魔だと言われれば、おっしゃる通り、老害は粗大ゴミになったのかもしれませんから、そしたら掃いてもらえばいいんじゃないですか」

何が不適切なのかという質問については「男女を区別するような発言をしたことは不適切だった。誤解を生んではいけないので撤回します」と回答。

また、「女性の話が長いと思っているのか」と認識を改めて問われた際には、「女性の話を聞かないからわかりません。私も長い方なんです」と答えた。

批判は謙虚に受け止めているとしたが、「私が知っている理事会の話を引用して、ああいう発言になったということです」「(女性がいると会議が長くなるという)話はよく聞きます」などとも述べた。

一方、特定の人物を念頭に置いたものか、ということについては「一切頭にありません」と指摘。IOCからの問い合わせは「わかりません」として、自ら何かしら報告する考えはないと結んだ。

さらに、「面白おかしくしたいから聞いてるんだろ」と記者に噛み付く場面もあった。