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「都議会のドン」後継の27歳女性 敗戦の弁で「国会議員は情けない」と批判

自民党・内田茂都議の後継として立候補した新人・中村彩氏が敗戦の弁で語ったこと。

「都議会のドン」と言われた自民党・内田茂都議(7期)。その地盤である千代田区から後継として立候補したのは、新人だった中村彩氏(27)だ。

結果は、「都民ファーストの会」公認の樋口高顕氏(34)にダブルスコアに近い差をつけられての、落選だった。

中村氏は自身の敗因について「私の努力不足」と語りつつ、国政への批判も口にした。

「自民推し」候補の落選

中村氏は平成元年(1989年)生まれ。慶應大学大学院法学研究科を修了後、日本取引所グループ(東証)で働いていた社会人4年目だ。

「高校時代から政治家になりたかった」といい、この4月に自民党の候補者公募に名乗りを上げ、選抜の末、千代田区からの出馬が決まった。

都民ファーストの代表・小池百合子知事の開いた「希望の塾」に入り、その公募も受けていた。いわば「鞍替え」とも言える出馬に、注目が集まっていた候補だ。

告示前のBuzzFeed Newsの取材では、「鞍替え」の理由をこう説明していた。

「そもそも私の思想は自民党。都民ファーストも当初は小池知事が自民党員だから良いなと思っていたのに、民進党出身者や生活者ネットなどと組んで、思想がバラバラになってしまった。変な話、『自民党推し』の私がなぜそこに入るべきかもわからないな、と感じていました」

「今の国政」への苦言

中村氏は落選後、「今の国政」について問われ、こう苦言を呈した。フジ系列の番組が事務所での様子を報じた。

「報道で取り上げられていたような内容を含め、脇が皆様甘いなと思う。人を罵倒したりとか、お金の問題であるとか、恋愛を含め人間関係の問題だとか」

「人の前に立って、国民の代表として出ている人たちが、普通に考えて、やらないだろうというようなことをやってしまっているということが」

そのうえで、「恥ずかしく、情けない」とも指摘している。

「自民党だけではなく、国民の信頼を失ってしまっているうえで、すごく恥ずかしく、情けないなと思っています。立候補者として、自身がそういうことがないからこそ、情けないなと思います」

都民ファーストの圧勝は、国政でさまざまな問題が取りざたされた結果とも受け取れる。実際、自民党都連の下村博文会長も会見でこう語っている。

「自民党への怒りがあり、自民党の驕りはどうか、国会運営が横暴だったと、いろいろなことに対する都民の怒りがあったと思う。都民のみなさまが、厳しい審判を下した」

下村会長は自らが「大惨敗」と語った今回の選挙の責任を取り、この日、都連会長の辞意を表明した。

恨み節ではない

先程の会見でお世話になった先生方に恨み節を言ったかのような変な切り取られ方をしましたが、反論します。”今の国政どう思うか”という質問の答えの中で”...党問わず公人なら国民の代表者としての意識をもたなければならない。...脇が甘い”と言っただけで敗因を押し付けたりしていません。

中村氏はその後、自らのTwitterで発言について「恨み節を言ったかのような切り取り方をされたが、党を問わず公人なら国民の代表としての意識をもたなければならないと言っただけで、敗因を押し付けたりしていない」としている。

また、今後については「悔しいですがこれを糧に今後どうやって東京、日本を良くしていけるかちゃんと考えていきます」と述べ、こうもツイートした。

「これからもどうすれば日本が国民にとって良い国になるか、世界の中で台頭できるかを自民党の一員として考えて活動して参ります」


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(サムネイル:時事通信)