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Updated on 2020年8月11日. Posted on 2020年8月5日

「うがい薬は新型コロナの予防に?」WHO「いいえ、科学的根拠はありません」と公式見解

ポビドンヨードが含まれたイソジンなどのうがい薬で新型コロナウイルスへの感染が少しでも抑えることが期待できると、使用を呼びかける記者会見をした大阪府の吉村洋文知事。うがい薬は買い占められ、さらに医療者からは批判も集めていた。

「イソジンなどのうがい薬が新型コロナウイルスの感染予防になる可能性がある」という大阪府の発表が話題となるなか、世界保健機関(WHO)の直轄機関「WHO神戸センター」が8月5日、「科学的根拠はない」との見解を公式Twitterに投稿した。

大阪府の吉村洋文知事は4日、殺菌効果のあるポビドンヨードが含まれたうがい薬で新型コロナウイルスへの感染が少しでも抑えることが期待できると使用を呼びかける記者会見をし、医療関係者から批判を浴びていた。

WHO神戸センターは5日昼、「うがい薬でうがいをすると、新型コロナウイルスの感染予防になりますか」と質問形式でツイート

「いいえ。うがい薬の使用で新型コロナウイルスの感染を予防できるという科学的根拠はありません」として、さらに以下のように記した。

「うがい薬や製品の中には、口の中の唾液に含まれる特定の微生物を数分間除去できるものもあります。しかし、これは、COVID-19の感染予防になるということを意味するわけではありません」

大阪府の発表によると、今年6月から先月、府の宿泊施設で療養していた軽症や無症状の患者、41人に、ポビドンヨード入りのうがい薬で、1日4回、うがいをしてもらったところ、その他の患者よりも唾液の中のウイルスが減少。

うがいをした患者は4日目に唾液のPCR検査の陽性率が9.5%になったのに対し、うがいをしなかった患者は陽性率が40%だったという。今後1000人規模の研究でさらに効果を確かめるとしている。

そのうえで、吉村知事は会見で「うそのような本当の話」「うがい薬を使ってうがいをすることによってコロナの陽性者が減っていくのではないか」などと発言。

症状がある患者や接待を伴う飲食店、医療や介護の従事者らに対し、ポビドンヨードが含まれたうがい薬でうがいするよう呼びかけた。

批判に対し、吉村知事は…

時事通信

この会見の報道を受けて、各地でポビドンヨードの入ったうがい薬が売り切れるドラッグストアが続出。メルカリなどでの転売も確認され、さらにこの成分の入ったうがい薬を販売する企業の株価が急騰したことも報じられた

しかし、医療者から批判が相次いでいる。感染予防策としてはうがいよりも手洗いが重要なこと、うがいをする場合もうがい薬より水道水で十分とされていること、ポビドンヨードは甲状腺機能への副作用もあることなどを指摘する声もある。

また、検査直前にうがいをしたら喉のぬぐい液や唾液のウイルスのみが殺されて、体内にウイルスはあるのに、正しく判定できない可能性も指摘されている。

WHOのツイートも、こうした流れを汲んだものと思われる。WHOはコロナに関する迷信や誤った情報に関するファクトチェックコーナー「Mythbusters」を設けており、今回のツイートにもそのハッシュタグが用いられているからだ。

一方の吉村知事は相次いだ批判に対し、「吉村がおかしなこと言い出してるとネット上の大批判がありますが、構いません」などとツイートした。

また、5日の会見では「誤解が多い」として、ポビドンヨードの入ったうがい薬は「コロナの治療薬ではない」と強調し、こう語った。

「コロナを予防できるわけではありません。感染を防ぐ効果が認められたわけではない。人にうつすことを防ぐ、感染拡大防止に寄与する可能性がある。重症化を防ぐ可能性は今後臨床研究する」

とはいえ吉村知事は、前日の会見では「コロナに効くのではないか」「陽性者が減っていくのではないか」「コロナに対して大きな効果があるだろう」などと発言し、その使用を推奨していたため、矛盾点を指摘する声も相次いで上がっている。


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