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緊急事態宣言延長、菅首相が会見で「無視」した記者の言葉

菅首相の記者会見では、質問は1人1問とされ、記者が質問に答えなかった点の回答を改めて促したり、回答で現れた矛盾点などをさらに質問する、いわゆる「更問い」(さらとい)が事実上、禁止されている。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、政府は5月7日東京、大阪、兵庫、京都の4都府県に出されている緊急事態宣言を5月31日まで延長することを決めた。また、新たに福岡、愛知の両県も宣言の対象となった。

まん延防止等重点措置については北海道、岐阜、三重が追加。宮城が外れ、埼玉、千葉、神奈川、愛媛、沖縄には継続される。期間も同様に延長される。

菅義偉首相は同日夜に会見を開いたが、記者からのある問いかけに答えず、「無視」する場面があった。

THE PAGE / Via youtube.com

菅首相が一切触れることのなかったのは、幹事社である東京・中日新聞記者の言葉だ。

「この会見はひとり1問が原則ですが、国民の疑問に応える有意義な質疑になるよう、各社から再質問が上がった場合、応じていただけるようお願い申し上げます」と質したのだ。

菅首相の記者会見では、質問は1人1問とされ、記者が質問に答えなかった点の回答を改めて促したり、回答で現れた矛盾点などをさらに質問する、いわゆる「更問い」(さらとい)が事実上、禁止されている。

この記者会見は首相官邸記者クラブ「内閣記者会」の主催。つまり本来は司会も報道側で行うのが筋だが、官邸側が司会するのが常となっている。

質問時は、内閣広報官に指名されたうえで、スタンドマイクの前に立って質問をする必要がある。以前は自席から質問をするスタイルだったが、昨年4月の安倍晋三前首相の会見から、このやり方となった。

加わった「ある言葉」

時事通信

当時の朝日新聞(4月8日)などによると、これは新型コロナウイルスの感染の広がりを受けた「異例」のものだった。

一方で、「更問い」がさらに難しくなるやり方でもある。「質問が終わったらマスクを着用の上、自席までお戻りください」と広報官から求められるようになり、その場で質問を重ねることがほとんどできなくなったのだ。

さらに今年1月4日の菅首相の会見では、ここに「自席からの追加質問はお控えいただきたい」との言葉が加わった。

あのてこの手で質問を重ねることは、極めて難しくなった。一方で報道陣からは、菅首相の言葉や本音、さらには1つの質問だけで語ろうとしなかったことを引き出すために、「更問い」が必要であるという声があがっていた。

そして、5月7日の会見。トップバッターの記者が投げかけた言葉は「お願い」であるとはいえ、菅首相は完全に「無視」。何かを応えることはなかった。また、内閣広報官も、これについて一切触れることはなかった。

とはいえ、「更問い」が全くないわけではない。インド在留邦人へのPCR検査の必要性に関する質問をしたフリーランスの記者の質問に対し、菅首相が帰国対応のみを述べるだけだったため、この記者が「PCRについても」と問い、首相が追加で答える場面があった。

一方、東京五輪やワクチンをめぐって首相が言葉を濁した質問に対して、「更問い」をする記者はいなかった。


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