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菅首相「テレワークとオンライン会議を混同した」笑顔でアピール→異例のお詫び

会見では記者から「総理自らがテレワークを行う、試みるというお考えはございますか」との質問があがった。これに対し、菅首相は笑みを交えながら答えたが…

新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、政府が「出勤者7割減」を目指すためにたびたび呼びかけている「テレワーク」。

菅義偉首相も8月25日の会見で自らの実践について問われ、「会議をテレワークでやらせていただきました」などと答えていた。

しかしその後、「オンライン会議と混同していた」として、会見中に異例のお詫びをした。何が起きたのか。

緊急事態宣言の拡大を受け、会見を開いた菅首相。テレワークについて、冒頭発言のなかで以下のように呼びかけている。

「感染防止対策について政府としても、飲食店の時間短縮や、大規模商業施設の入場制限を徹底することに加えて、人流抑制のためのテレワークなどを強力に推進をしてきております。効果的な対策を講じていきたいというふうに思います」

「テレワークについても、それぞれの職場でさらなる工夫を重ねて、昨年春に多くの企業が達成した出勤者7割削減に向け取り組みを進めていただきたいと思います」

これについて記者からは、菅首相が3月下旬以降丸一日の休みをとっておらず、官邸や議員宿舎などで仕事をしていることに触れながら、「総理自らがテレワークを行う、試みるというお考えはございますか」との質問があがった。

これに対し菅首相は笑みを交えながら、こう答えた。

「まずテレワーク。これ率先してやらなきゃ駄目だというふうに思ってます。そういう中で、今日新たに制限地域とまん延防止地域を決めた会議については、テレワークでやらせていただきました(笑みをこぼす、写真上)

「そういう意味で、昨日もテレワーク、私……。規制改革ですか、やってます。そうしたことをこれからどんどんと増やしていかなきゃならないというふうに思ってます。私自身もそういう意味で、進められるときを進めていきたい、こういうふうに思います」

そもそも「テレワーク」の定義は…?

ただこれはどうやら、菅首相の「勘違い」だったようだ。同じ会見中、ほかの記者の質問の最中に、以下のように異例のお詫びをしたのだ。

「テレワークとオンライン会議、こうしたことについて、混同してお答えしてしまいました。お詫び申し上げたいと思います」

そもそも厚生労働省の「テレワーク総合ポータルサイト」では、テレワークについて以下のように定義している。

テレワークとは「情報通信技術(ICT=Information and Communication Technology)を活用した時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」のこと。Tel(離れて)とWork(仕事)を組み合わせた造語です。要するに本拠地のオフィスから離れた場所で、ICTをつかって仕事をすることです。

テレワークは働く場所で分けると、自宅で働く在宅勤務、移動中や出先で働くモバイル勤務、 本拠地以外の施設で働くサテライトオフィス勤務があります。

つまり、オフィスなどの「本拠地」に出勤せず、自宅などからICTを利用して仕事をすることを指す、ということ。それゆえに、人流削減の決め手ともされているわけだ。

一方の菅首相は、自らの「本拠地」である官邸で開催した規制改革推進会議(写真上)や新型コロナウイルス感染症対策本部のオンライン会議が「テレワークに該当する」と混同していたようだ。

なお、西村康稔担当相の会見では、「官邸での会見でもありましたが、テレワークをできる限り進めていただきたい」という発言があった。首相自身は今後、どのように自らのテレワークを「強力に推進」していくのだろうか。