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「容姿を笑い者に…」橋本会長“オリンピッグ”問題に「私としてもショック」式典責任者の後任は?

佐々木氏は「私が調子に乗って出したアイデア」「内輪でのやり取りのつもりでした」などと記し、「ご不快な思いをさせてしまった」と謝罪。辞意を表明していた。

東京オリンピック・パラリンピックの開閉会式の演出を統括するクリエイティブ・ディレクター佐々木宏氏(66)が、タレントの渡辺直美さんの容姿を侮辱する不適切な演出案を発案していたと週刊文春が報じたことを受け、辞意を表明した。

演出案は、豚の格好をした渡辺さんを「オリンピッグ」として登場させるというもので、演出チームのメンバーの反対で取り下げられた。文春オンラインは、その際のLINE上のやりとりを公開していた。

組織委員会の橋本聖子会長は3月18日に会見を開き、「私としてもショックを受けた」「あってはならないこと」とコメント。辞意を受け入れ、後任人事を進めるとした。

開閉会式については、昨年末に狂言師の野村萬斎氏が総合統括を務める演出企画チームが退任し、佐々木氏が統括する新体制となっていた。

佐々木氏は3月17日の報道を受け、深夜に組織委を通じて謝罪文を公表。演出案については「駄洒落」として発案したとしつつ、ほかのメンバーから「怒られ」たことで「目が覚めました」と説明した。

そのうえで、「私が調子に乗って出したアイデア」「内輪でのやり取りのつもりでした」などと記し、「ご不快な思いをさせてしまった」と謝罪。「自分の意識の低さ、無神経さにあらためて、気づいた」などとコメントした。

これを受け、急遽会見を開いた橋本会長は「私としてもショックを受けた。容姿を笑いものにするような発言は大変不適切。絶対にあってはならないと思っております」とコメントした。

「大会まであと4ヶ月と迫っていたことから、佐々木氏の存在は式典を成功するために極めて重要であります。また、組織委への貢献は大変大きなものでありました」

「しかし、一夜明け、改めて反省とお詫びの言葉があり、辞意が表明されたので、佐々木氏の判断を重く受け止めたところです。氏の辞意が固く、組織委がジェンダー平等・推進を重要施策として掲げている以上、辞意を受け入れることとしました」

佐々木氏に対しては「多大な貢献について謝意をお伝えした」といい、慰留があったか記者に問われ、「そういう気持ちはございました」とも述べた。

後任人事の焦点は?

後任人事については、「早急に進め、影響がないよう、責任を持って取り組んでまいりたい」と語った。

そのうえで、ジェンダー平等などの観点を含め「しっかり対応できる体制にしていきたい」とも述べた。

「開閉会式においても世界中の多くの人にスポーツの素晴らしさ、日本・東京の魅力、多様性と調和など重要なメッセージを届けたいという考えには変わりない。より素晴らしいものをつくるため、継承すべきところは継承し、一丸となって、新たな体制を整えるべく、努力して参りたい」

「こういったことが2度と起きないよう、意識の改革も含め、組織委がしっかりした姿勢で取り組んでいくことが重要。すべてのメンバーに対しても、改めてのお願いをしながら、社会に貢献できるような組織体制を構築していきたい」

なお、報道から一夜でこのような対応になったスピード感については、「昨今のこういった、社会が求める多様性と調和ということに関してやはり早急な対応が必要ではないかと思った次第です」とも語った。報道についてはIOC側にも電話で報告をしたという。

この件をめぐっては国会でも取り上げられ、丸川珠代・五輪担当相が18日午前の参議院予算委で「まったく不適切なものでありまして、あってはならない発言」と答弁していた。