• covid19jp badge
  • medicaljp badge

「お前らには死が似合う」コロナ専門家らに厚労省かたる「刃物入り脅迫状」相次ぐ。注意喚起も

厚生労働省の担当者によると封筒が届く被害が始まったのは、5月上旬のゴールデンウィークごろから。新型コロナやワクチンに関する情報を発信してきた専門家など、個人や団体に複数届いていることが確認されているという。

新型コロナウイルスのワクチンなどに関する情報発信を続けている専門家に、「厚生労働省健康局健康課予防接種室」の差出人名をかたる封筒が、相次いで送付されている。

「お前たちには死が似合う」などという脅迫文書や、カッターナイフの刃が同封されているケースもあった。

厚労省は同省のものではないとして、こうした手紙が届いた場合、開封しないように注意を呼びかけている。

厚生労働省の担当者によると、こうした封筒が届く被害が始まったのは、5月上旬のゴールデンウィークごろから。これまで少なくとも団体、個人など複数件が確認されているという。

水色の封筒に「厚生労働省健康局健康課予防接種室」とロゴとともに記されている料金後納郵便で届いているのが特徴で、手紙やカッターナイフなどが同封されているケースがあった。

これを受け、同省は5月9日に「料金後納の水色長形3号封筒を利用して郵便物を送付することはありません」とサイト上に文書を公開。開封せずに警察署に届け出るように呼びかけているほか、同省としても警察に相談をしているという。

3月上旬にも、厚労省の同室を名乗り、「新型コロナウイルスワクチン接種券 在中」と記された封筒が自治体、医療機関、個人などに送られていた。

この際も同省は注意喚起をしているが、危険物などが入っていたということは確認されていなかったという。

「卑劣な行為」

SNS上では、作家で医師の知念実希人さんや、日米の専門家らでつくる「こびナビ」幹事の吉村健佑さんが同様の封筒を送られたことを明らかにしている。新型コロナやワクチンに関する情報を発信してきた人たちだ。

厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードで流行データ分析に取り組む京都大学大学院医学研究科教授の理論疫学者・西浦博さんにも、5月2日にこの封筒が届いたという。

BuzzFeed Medicalの取材に対し、西浦さんは「厚労省からくる郵便物はいつも茶封筒で同じデザインのもの。カラーロゴまで入れた封筒を見るのは初めてで、受け取ってすぐに『あれ?』と思いました」と語る。

不審に思い、すぐに警察に未開封のまま届け出たという。なかには新品のカッターナイフと、1枚紙の脅迫文が同封されていた。

「利権にまみれたお前たちには死が似合う。 まもなく判決がくだされる。 いまさら土下座しても遅い」

西浦さんは「卑劣な行為であると考えています。世の中に様々な意見があるのは良いことだと思うのですが、でも匿名でカッターを送らないといけない心の状態に至るのは悲しいことだと思っています。私は私の仕事をするのみです」と語った。