• factcheckjp badge

「ビル・ゲイツの娘はワクチン未接種」SNSで拡散した画像は誤り。「長女」とされた写真は別人、接種状況も…

ゲイツ氏の子どもたちがコロナワクチンや、小児向けのさまざまな予防接種を受けていないとする情報はアメリカなどで昨年11月ごろに拡散し、ファクトチェックの対象となってきた。

マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏をめぐり、長女のフィービー・アデル・ゲイツ氏がコロナワクチン未接種であるなどとする情報が広がっている。

しかし、これは誤った情報だ。そもそも使われている画像は別人で、長女は自らコロナワクチン接種をしたことを公表している。BuzzFeed Newsはファクトチェックを実施した。

Twitter上で拡散しているのは、1枚の画像。1月4〜5日にかけて相次いで投稿されており、拡散されている2つのツイートで50万以上のインプレッションを獲得している。

「フィービー・アデル・ゲイツ ビルゲイツの20歳の娘 接種状況:COVIDワクチン未接種 小児用ワクチンも、打っていません」と記されているが、これは前述の通り誤った情報だ。

前提として、画像の女性は長女のフィービー・アデル・ゲイツ氏ではなく、アメリカの女優、レイチェル・リー・クック氏だ。2007年ごろに撮影された写真とみられる。

また、コロナワクチンについては、長女自らが2021年4月にInstagram上で「ワクチン接種済み、いい感じ」と投稿し、接種したことを明かしている。

ゲイツ氏の長女がコロナワクチンや、小児向けのさまざまな予防接種を受けていないとする情報はアメリカなどで昨年11月ごろに拡散し、ファクトチェックの対象となってきた。

この際、ビルゲイツ財団もAP通信やAFP通信の取材に、子どもたちがコロナワクチンも含め「完全に予防接種を受けている」と明確に否定している。

なお、小児向けの予防接種については、元妻のメリンダ氏もFacebookで「私の3人の子どもたちは、完全に予防接種を受けています。ワクチンは有効です」と述べている。

ビル・ゲイツ氏をめぐっては、メリンダ氏とともに財団を立ち上げ、ワクチン開発を支援していることから、「コロナワクチンは人口削減の一環」「マイクロチップが混入されている」などという陰謀論の対象となってきた。

こうしたことを意識してか、医学生である次女のジェニファー・ゲイツ氏はコロナワクチン接種を自らのSNSで公表した際に、ジョークを交えながら否定している。

「残念ながらワクチンは、私の脳に天才的な父を埋め込みませんでした…mRNAにその力があれば.....!」

新型コロナウイルスやワクチンをめぐっては、さまざまな誤情報や「陰謀論」が拡散している。情報源などには注意が必要だ。


BuzzFeed JapanはNPO法人「ファクトチェック・イニシアティブ」(FIJ)のメディアパートナーとして、2019年7月からそのガイドラインに基づき、対象言説のレーティング(以下の通り)を実施しています。

ファクトチェック記事には、以下のレーティングを必ず記載します。ガイドラインはこちらからご覧ください。なお、今回の対象言説は、FIJの共有システム「Claim Monitor」で覚知しました。

また、これまでBuzzFeed Japanが実施したファクトチェックや、関連記事はこちらからご覧ください。

  • 正確 事実の誤りはなく、重要な要素が欠けていない。
  • ほぼ正確 一部は不正確だが、主要な部分・根幹に誤りはない。
  • ミスリード 一見事実と異なることは言っていないが、釣り見出しや重要な事実の欠落などにより、誤解の余地が大きい。
  • 不正確 正確な部分と不正確な部分が混じっていて、全体として正確性が欠如している。
  • 根拠不明 誤りと証明できないが、証拠・根拠がないか非常に乏しい。
  • 誤り 全て、もしくは根幹部分に事実の誤りがある。
  • 虚偽 全て、もしくは根幹部分に事実の誤りがあり、事実でないと知りながら伝えた疑いが濃厚である。
  • 判定留保 真偽を証明することが困難。誤りの可能性が強くはないが、否定もできない。
  • 検証対象外 意見や主観的な認識・評価に関することであり、真偽を証明・解明できる事柄ではない。