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ここ日本ってまじか…!田舎町で“異世界すぎる観光地”見つけちゃった

ここ、「通り過ぎるだけの町」じゃないでしょ...。

「都会の人はどこに魅力を感じるだろうか」と聞かれて悩みながら向かったけれど、答えはすぐに見つかった。

まるでゲームの世界に来たような美しい洞窟には、言葉を失ったし

今にも消えそうなロウソク片手に潜り抜ける地底空間は、冒険心がくすぐられまくった。

1000匹以上のカブトムシが放たれる「虫の楽園」は衝撃的だし

一歩外へ出ると、静かで澄み切った空気のおかげで、心の底から安らぎ

黄金色に輝く温泉は、疲れが吹っ飛ぶぐらい気持ちがいい。

「ワクワク」と「ゾクゾク」、おまけに「癒し」まで用意してくれているこの場所はどこか……

福島県にある田村市という場所なんです。

全国的に有名な郡山市が隣にあるからか、実はあまり知られていない場所でもあります。そのためか、出身地を尋ねられれば「郡山です」と話す地元民も少なくないのだとか。

でも、それはもったいない。刺激と癒しが詰まったこの場所は旅行好きにぴったりで、魅力にあふれている。北海道から沖縄まで全国を旅行してきた私は、車で回れば回るほど惹かれていきました。

東京からだと新幹線で2時間もかからずに行くことができるのも良さの一つ。往復2万円以内でひと味もふた味も違う旅行ができる場所なんです。

この田村市、ものすごくオススメなので、もう少しだけ魅力を紹介させてください。

①雪道を進めば、鳥居が突如として現れ

山腹には、気が引き締まるほど重々しい雰囲気を漂わせる鳥居が。

崖に建つ社殿がむちゃくちゃかっこいい。恐る恐る登ると...

岩にかけるように造られた、全国でも珍しい社殿に到着。ここは「磯前神社(いそさきじんじゃ)」と言います。床下を通らないと社殿に上がれないので、頑張って潜り抜けると...

心がすーっと清められ、深呼吸すると気持ちよすぎる。

この崖に社殿を建てた先人の方々、センス良過ぎです。

②「え、本当に行くんですか?」。地元の方に散々警告されながらもたどり着いたのは「入水鍾乳洞(いりみずしょうにゅうどう)」。ここ、私的激推しデートスポットです。

ガイドさんにも「心して入ってください」と念を押される。ビビりながら入口に進むと……恐怖心は一気に消えました!どれも形が異なるゴツゴツした鍾乳石に囲まれながら、水源を探しに行くかのように、奥へ奥へと進むワクワクとゾクゾク感は少年だった頃を思い出す。勝ったのは、恐さよりも冒険心でした。

でも、喜びは束の間、洞内を流れる水温10度以下の水の冷たさに悶絶し、一気に引き返したくなりました。

なんたって、足が痛いんです!冷たさで痛くなるって初めて知りました。地元民が心配していた理由はこれか、なんて思っていたら、10分ほどで足の感覚が麻痺して何も感じなくなりました。

一安心して、せっまーい通路をかがむなどして、なんとか進むと、「胎内くぐり」という謎なネーミングの場所が。体をねじ込ませるように通ってから、ヘッドライトの灯りを消すと、周囲は真っ暗闇に。

そして、突然のローソクターイム!

ロウソクの灯りが消えないことを祈って四つん這いになり、脚がずぶ濡れになりながらゴールを目指す。

全長900メートルのこの鍾乳洞。絶対に満足できる体験を味わうなら、ガイドなしで楽しめるBコース(往復60分、大人800円)がオススメです。Cコース(ガイド必須)まであって、Aコースは濡れません。

鍾乳洞の近くには温泉施設があるので、マストかも。シャワーを浴びたらすぐに生き返った〜!

案内してくれた、入水鍾乳洞管理事務所の西山政義さんは「あぶくま洞は観光洞、入水はアドベンチャーです。こっちは関東圏のリピーターが多いんですよ。来た人は、ぐっとはまるか、2度と来ないか、ですね(笑)」。

③そうそう、田村市のもう一つの名物といえば、「入水鍾乳洞」の近くにある「あぶくま洞」を忘れてはいけません。

8000万年もの途方もない歳月をかけてつくられた鍾乳洞。「自分の生きてきた人生なんて、ちっぽけだ」なんて月並みなことを言いたくなるほど、スケールがハンパない!

鍾乳石の数や種類の多さでは「東洋一」とも言われるといい、「クリスマスツリー」や「妖怪の塔」だの不思議な名前の映えスポットがいっぱい。

天井に「隠れスヌーピー?」がいるので、子どもと探すのもいいかも。私はこれまでいくつか鍾乳洞に行きましたが、ピカイチで感動しました。自然の営みが育んだここの美しさに終始圧倒され、時間が許せばずっと眺めていたかった。

④市の中心部に寄り、空がどこまでも広がる景色でリフレッシュしてから向かったのは温泉です。

温泉って旅行の醍醐味ですよね。

扉を開けると、電話機のクセの強さに驚きつつ

出迎えてくれたのは、メイクが大好きな元ギャルの村越芽生さん。

村越さんはここの「若女将」でありながら、インフルエンサーとしても人気。彼女に会いに来る人もいるほどです。私の後から入ってきたお客さん2人は「ギャルのあの若女将ですか?」と話しかけていました。

浴室に向かうために施設内を進むと、お風呂上がりにゆったりできる広い座敷が。コタツを見て、アットホームさを感じながら若女将に案内してもらった温泉は...。

黄金色に輝き、息を呑む美しさ。

鉄分を多く含んだお湯に浸かると、言わずもがなでたまらなく最高。ポカポカと温まり、疲れが吹っ飛びます。

温泉の利用客は、近くのキャンプ場を無料で使えます。懐の広さが尋常じゃない。

若女将の村越さんは「私や地域の人たちの居場所をなくしたくないし、ここを拠点にして、田村市が良いところって思ってくれる人を増やしたいんです」と話します。

施設の目の前を通る国道は、福島県を縦断するのに便利。そのため、日本一周を目指すたくさんのバイカーたちが聖石温泉に立ち寄り、「旅人の聖地」と呼ぶ人もいるそうです。ここには、その言葉にふさわしい居心地の良さがありました。

⑤田村市は食も充実しています。中でも、地元の方で賑わう「せがわ食堂」が人気です。

一番の人気は「みそラーメン」(750円)。野菜がたっぷりで、スッキリしたスープはいくらでも飲めちゃうやつ。はい、大正解でした。

太めの自家製麺がもっちもちで、おいしすぎ。一滴残らず、スープを飲み干しました。これ、とても好きだったわ〜。

「モツ定食」(850円)もやばかった。丼飯とえげつない量の味噌汁がついていて、モツは臭みがなくてめっちゃ柔らかい。ひと口頬張れば、ご飯が進む、すすむ。

お店を継ぐ息子の佐久間智之さんは「ボリュームがあるのがうちの特徴。どの料理もおいしく作るのは当たり前ですよね」と一言。ごちそうさまでした!

⑥市の中心部にあるJR船引駅近くのお蕎麦屋さん「日本そば和食 羽生」もとってもおいしいんです。

こだわり抜いた県産のそば粉を使った手打ちそばに、食欲が急加速。

ゆたかな香りと食感、喉越しの良さを味わってもらうために、あえて「二八そば」にしているそうで、注文後に出てきた料理は...

鴨南蛮そば(1350円)!写真を撮っていると、「香りを味わってほしいから、早く食べて!」との声が。早速口に運ぶと?

うまぁ!!!喉越しは良いし、そばの香りをしっかり感じる!そば粉の粒子のザラザラした舌触りも良いアクセントになってる◎

感動したのは、鴨南蛮そばのおいしさ。これでもかってくらい鴨の出汁と香りを感じられ、つけ汁に入っているレモンがすごく良い仕事をしているんですよ。悩むことなく完飲です。

普通盛りでもボリュームがある「もりそば」と「ミニソースヒレカツ丼」のセット(1230円)も絶品です。カツ丼は、お肉が柔らかいだけでなく、ソースがなんとも表現しづらい絶妙な甘さのある味で感動ものなんです。

聞いてみると、店主の羽生弘さんはもともと割烹料理屋で腕を振るっていたんだとか。そりゃ、全部の料理がおいしかったわけだ。

ペロリと完食。羽生ご夫妻のとても丁寧な料理、ごちそうさまでした!そばっておいしいわ〜!

⑦最後に田村市のそこかしこにいる謎多き巨大な神様「お人形様」を紹介させてください。

「お人形様」は通せんぼのポーズをしながら、疫病退散や魔除けを祈り、田村市を守る神様です。新型コロナで再注目されたそうで、いつか旅行できる日が来たら、手を合わせに訪れるのはどうでしょうか?

福島県田村市、鍾乳洞や崖に建つ神社の奇抜さに心動かされたかと思えば、大自然や温泉が心をホッと和ませてくれる場所。ここ、とてつもなく魅力的な観光地じゃないですか。

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