悲劇があったサイパンの海、人気YouTuberだったエイジさんの「愛」を3人が感じる場所

    4人組YouTuber「アバンティーズ」のメンバー・エイジさんは、22歳の若さで亡くなった。事故があった場所にいなかったのは、ツリメさんだけだった。

    4人組YouTuber「アバンティーズ」。メンバーのエイジさんが亡くなったのは、2019年の元旦だった。22歳という若すぎる死は、ファンらに衝撃を与えた。

    事故から2年が経ち、残された3人は新刊「1/4の風景」(KADOKAWA、3月1日発売)に故人への気持ちをまとめた。故人の存在が大きすぎるがゆえの葛藤が、ありのまま記されている。

    アバンティーズとその関係者のインタビューから構成され、エイジさんの家族とメンバーとの会話も収められている。

    幼い頃から時間を共にしたエイジさんは、そらさん、リクヲさんと出かけた休暇旅行先のサイパンの浅瀬で高波にさらわれた。懸命な救出活動が行われたが、帰らぬ人となった。

    そらさん、ツリメさん、リクヲさんに、BuzzFeedはインタビューした。

    ーーサイパンの海でまだ見つかっていないエイジさんのスマホが「見つかるとおもしろいね」とエイジさんのお父様はおっしゃっていました。見つけようと思われたことはあるんですか?

    リクヲ:海に沈んでしまって、見つけられないですね。多分、海の底にあるので。

    ーーあの場所をまた訪れようと思っていますか?

    そら:行きたいです。タイミングを見計らっているところで。りっくんは一周忌のときに行ったんだっけ?

    リクヲ:コロナが流行る前に、2020年の正月に行きました。むしろ行ける限りは行きたいなと思います。

    そら:あそこは、忌み嫌っている場所ではないです。逆に愛を感じられる場所だと思っています。僕はあの日以来、まだ行けていないので、実際に何を感じるのかはわからないんですけど。

    ーーその愛とは、エイジさんのですか?

    そら:なんか、その場所自体が愛おしいと考えています。エイちゃんに触れられる場所ではあるので。

    触れられるものが、年々少なくなってきているんですよ。サイパンに行く途中の空港で、エイちゃんはタバコを「ピース缶」に変えて吸っていて、それが遺品になりました。僕の自宅にあって、節目になると1本ずつ吸っていましたが、いまは禁煙しているので吸わなくなったんです。

    彼を感じられるものが、歳をとるにつれてなくなっていっています。それを考えると、サイパンに戻れば、エイちゃんを感じられるから、大切な場所ではあるなって思います。

    ツリメ:エイちゃんが亡くなった後、エイちゃんの家族と一緒に行ったんですけど、僕は個人的にはあんまり行きたくないなと思っています。僕はそこにいなかった人なんで。むしろどっちかっていうと、地元にいた方が彼を感じられるんです。

    ーーエイジさんと再び会い、4人で動画を1本作るとしたら、どんな内容のものにすると思いますか?

    そら:すごい質問きたな。1本かあ。これ全員それぞれ違うよね。俺は、会って普通に酒飲みたいかな。でも、それはプライベートだな。

    エイちゃんが主役の動画を作ってあげたいですね。黒子のような役割も果たしてくれていたので。そういうのを抜きにして、エイちゃんが心から楽しいと思ってもらえる企画を撮りたいです。

    ーー「エイジ王」のような?

    そら:たしかに、あれ楽しんでいました(笑)

    YouTubeでこの動画を見る

    アバンティーズ / Via youtube.com

    ツリメ:僕は、ボクシングですかね。彼は、キックボクシングをやっていたので、3対1で。

    そら:それは負け犬の考えだよ(笑)

    ツリメ:絶対に勝てるように、最初に俺が、次にそら、最後にりっくんが戦って勝つ。彼、戦う系が好きだったんですよ。負けず嫌いなところあるんで。

    そら:企画でも基本負けると本当に悔しがるんですよ。

    リクヲ:今のエイジに1000万円渡してみたらどうなるみたいなの撮りたい。思いつく限りのことをやってもらう。その代わり「俺らも巻き込んでね」ってお金を渡します。

    ーー海外に行くかもしれないですね。

    そら:あいつ絶対に行くわ。

    ーーリクヲさんは、エイジさんも憧れていた海外での生活を視野に入れ、アメリカ留学を希望していますよね。いつ留学する予定ですか?

    リクヲ:まだコロナでわからないですけど、今年中には留学したいです。とりあえず1年行ってみて。そこから様子見ですね。

    ーーもしかしたらアバンティーズの動画で、ずっと英語をしゃべるようになるかもですね。

    そら:それは腹立ちますね。

    一同:笑

    元旦に届けた新曲

    ーーもし本で伝えきれなかったことがあれば、教えてください。

    そら:1月1日に個人チャンネル「Noodle」で、Buddy(バディ)名義のラップの新曲「First things」を発表しました。

    本の制作期間中に作ったので、本で言い切れなかった言葉をストレートに曲で表現しています。聴いてもらえたら、違う角度から見られて、すごい繋がるかなと思っています。聴いてほしいです。

    1月1日を忘れない。君を第一に。 そんな意味を込めたFirst things。 2年経って初めて手紙を書きました。 First things - Buddy https://t.co/mX5Stoj9l2 @YouTubeより

    Twitter: @soraciavntis

    ーーここは伝えたいという歌詞はありますか?

    RECしてるときに泣いちゃって。でも、それもストレートな気持ちだから作品としていいなと思って残しました。泣きながら「君に会いたいよ」って言ってるんですけど。そこに全て凝縮されてるのかなって思っています。

    ツリメ:今のアバンティーズを改めて見つめてほしいです。3人の動画を評価してもらいたい。

    リクヲ:まだいろいろ模索中で、アバンティーズをきっと成長させられる。この本はゴールではなくて、途中だと思っています。

    YouTubeでこの動画を見る

    Noodle / Via youtube.com

    First things - Buddy

    前回の記事:最愛のメンバーを亡くして変わった死生観、沈んだ人気YouTuberを止めたのは故人だった。

    【アバンティーズ】クリエイター、YouTuber

    そら・エイジ・ツリメ・リクヲの4人からなる「暴走最先端クリエイター」。全員が埼玉県出身。それぞれ保育園、小学校、中学校でエイジさんと出会った。そして、中学生の頃からYouTubeで動画投稿を始めた。チャンネル登録者数は3月1日現在、149万人を超える。


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