「エイちゃんが最後に止めてくれた」メンバーを亡くした人気YouTuber、故人の両親の言葉に

    4人組YouTuber「アバンティーズ」。メンバーのエイジさんを失ってから2年が経った。幼少期から一緒に過ごした友人の死とどう向き合ったのか。

    Kensuke Seya / BuzzFeed

    休暇旅行先のサイパンの浅瀬で事故に遭って亡くなった、4人組YouTuber「アバンティーズ」のメンバー・エイジさん。

    高波にさらわれたのは、22歳だった2019年の元旦だった。

    事故から2年が経ったいま、残された3人は活動休止を考えるほど悩み、もがいた。エイジさんの存在があまりにも大きかったからだ。

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    アバンティーズの新刊「1/4の風景」(KADOKAWA)は関係者のインタビューから構成され、エイジさんの家族とメンバーとの会話も収められている。

    幼少期から一緒に過ごした友人の死とどう向き合ったのか。そらさん、ツリメさん、リクヲさんに、BuzzFeedはインタビューした。

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    左からメンバーのツリメさん、リクヲさん、そらさん

    ーーエイジさんのご両親は、本の中で「これからのところで亡くなったから、3人には申し訳なくて」と語られています。さまざまな感情が湧いたのではないでしょうか?

    そら:サイパンに行く前に、4人で話し合ったんですよね。当時、YouTubeの視聴者数が落ち着いてきちゃってて。サイパンから帰国後の撮影のスケジュールを組んで、企画も考えていました。

    そうやって「やばいね、頑張らないと」って話してた矢先にエイちゃんが亡くなっちゃって。逆に申し訳ないっていう気持ちです。

    UUUM提供

    左からリクヲさん、エイジさん、そらさん、ツリメさん

    リクヲ:僕もです。ご両親の悲しみは、僕たち以上だし、計り知れない。だから、申し訳ないと感じさせないように、僕たちが頑張れたらいいなとすごく思いますね。どんな形であれ、前を向き続ける姿勢を崩さないことが、ご両親にできることなのかなと感じています。

    ツリメ:僕はその言葉には、何も返せないですね。「なんでいなくなったんだよ」って気持ちが強いんです。エイちゃんのお母さん、お父さんの言葉を聞くと、ちょっと苦しくなります。

    僕だけ日本にいたんですよ。今思えば、サイパンに行っておけばよかったなと思いますが、当時は年末年始は地元にいたかったので。

    リクヲ:みっくん(ツリメ)からしたら、置いていかれた感が強いんだよね。

    ツリメ:そう。最後の姿を見られていない。今も実感が湧かないし、なかなか抜け出せない。その場にいなかったんで。

    変化した死生観

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    ーーあの日から、死生観は変わりましたか?

    そら:めちゃくちゃ変わりました。彼が亡くなってから、死について考えることが多くなって。去年はすごく落ち込んだ時期があり、いろいろ考えちゃうこともありました。

    やっぱり不安になるんですよ。僕たちは、若くしていろいろやってきちゃった。今後の人生って楽しいのかなとか、これ以上のことってあるのかなとか。

    でも、どんなに思いつめても、エイちゃんが最後に止めてくれたような気がした。

    エイちゃんは、生きたかっただろうなと思うんです。だから、どんな姿になっても生きるのが、僕たちのやるべきことだなと思って、今は精神衛生も良くなりました。

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    ツリメ:僕は、エイちゃんがいなくなったことを考えないようにしていました。考えすぎると落ちていく方なので。

    リクヲ:僕も、悩んでしまう方です。でも、流し流されて生きていけばいいやって思うようになりました。今年に入って、ちょっと気持ちが晴れてきたかなと思います。

    そら:りっくんは、昔、部屋から出てこなかった時期があるんです。今考えるとすごいことで。撮影のときだけで部屋から出てきて、それ以外はずっと部屋にいて。撮影が終わると、すぐに自分の部屋に戻っていくんです。

    俺らも俺らで、本人のために触れない方がいいと思っていた。真正面からぶつかりはしなかった。

    リクヲ:お互い若かったから、どうしていいかわからなかったんですよね。

    ーー気持ちが晴れたきっかけはあるんですか?

    リクヲ:わからないですけど、ふとしたときに「悩むことは、振り返ってみたときに必要なことと感じられる」「悩んだなりに得るものもある」と感じられるようになって。

    それから悩んでも、「成長できたな」と感じることができて。だいぶ楽になりましたね。

    自分が視聴者だったら...

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    アバンティーズのファンたち。2019年、エイジさんの「お別れの会」にて。

    ーーツリメさんが「おもしろいことをやっていても、どこかしらかわいそうな人に見えちゃうと思う」と本の中で語られていましたが、そういった思いを実感されたことはありますか?

    ツリメ:コアなファンの方は、今の僕らの現状を受け入れてくれていると思います。でも、想像ですけど、たまに観てくださる人は「そういえばエイちゃんいないんだ」「かわいそうだな」という先入観が少なからずあるんじゃないかなと。

    僕たちと同じ境遇のグループがいたら、そう思うのは仕方ないと思うんです。

    ーー自分が視聴者の立場だったら、同じように思うかもしれないですか?

    ツリメ:やっぱり思っちゃいますね。「そういえばあの人いないんだ」って。

    そら:視聴者の気持ちもわかるんですよ。僕たちとしてはすごい頑張って作ってるつもりではいます。でも、4人だったときの美しさみたいなのを僕たち自身も感じてはいるから。一生比較されるんだなって思うと、すごいきつくなる部分が去年はありました。

    ただ、3人になったときの美しさも、形が違うだけであると思っていて。別にあらがわなくてもいいなと感じられるようになってきた。

    昔は口を閉ざしてたんですけど、今はもっと笑顔でエイちゃんの話ができるなって感じています。

    エイちゃんの死を受け入れられたからこそ、何を聞かれても喋れるようになった。当時は受け入れられてなかったんでしょうね。だから、あまり話したくはなかった。

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    リクヲ:エイちゃんは、アバンティーズを語る上で絶対に欠かせない存在だった。絶対4人でいた時のほうが面白いんですよ。

    そら:それはな。

    リクヲ:うん。4人だからこそのバランスがあった。それぞれが支え合い、互いに良さを生かしていた部分もある。彼は、それがすごい得意だったので。

    だから、比べられちゃうことは仕方ない。それでも俺らなりには頑張っているし、面白くしている。前を向いて頑張るしかない。

    目指すグループの「色」

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    ーーエイジさんのご両親は、アバンティーズを「続けてくれてよかった」とも語られています。個人のやりたいことを大切にしながらアバンティーズを続け、成長した自分をグループの活動に生かしていく、という今後の方向性が見えてきたいま、とても心強いエールだと感じました。

    そら:お父さんとお母さんは、本当にすごいですよね。立派だなと思いました。

    サイパンから帰国して、エイちゃんのお父さんとお母さんと初めて会う日があったんですよ。その時、お父さんは全く泣かず、まず一番最初に「辛い思いをさせてごめんね」って言ったんです。

    なんでこんなことが言えるんだ。強いなって思って。超泣いちゃいました。普通言えないですよね。

    昔からエイちゃんのお父さんは立派ですごい人でした。僕、エイちゃんのお父さんに、小学校1年生から6年生まで太鼓を教わってたんです。すごい仲が良くて、親密だったこともあり、いろんな思いが湧いてきました。

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    ーーツリメさんは「3人の色を出す」ではなく、エイジさんが今でもいると思って「4人の色を出す」という方向性を示されました。いまのアバンティーズには、どんな色があると表現できますか?

    そら:グレーです。昔までは、ピュアで真っ白だったんですよ。何やっても、何色にでもなれたんですけど、今はいい意味で人間味が出てきて、淀んでいると思っている。

    それぞれの価値感や哲学を打ち明けたことはなかったので、視聴者からしたらアイドルみたいな存在だったと思うんです。

    今は、そのアイドル感みたいなのは多分、あんまりなくて。この人の人生をいろいろ知ってるから応援してるという存在になってきたと感じています。

    そのグレーをこれからどう見せるか。おもしろくできたらいいなと思います。

    ーー最終的には何色に変わりたいんですか?

    そら:何色にも変わらない「真っ黒」になりたいです。

    <エイジさんが事故に遭った場所に対しては、メンバーそれぞれが異なる感情を持っている。次回の記事“悲劇があったサイパンの海、人気YouTuberだったエイジさんの「愛」を3人が感じる場所”に続く>

    前回の記事:「えいちゃん大好きだよ」最愛のメンバーを失った人気YouTuber、その後の葛藤と「本音」

    【アバンティーズ】クリエイター、YouTuber

    そら・エイジ・ツリメ・リクヲの4人からなる「暴走最先端クリエイター」。全員が埼玉県出身。それぞれ保育園、小学校、中学校でエイジさんと出会った。そして、中学生の頃からYouTubeで動画投稿を始めた。チャンネル登録者数は3月1日現在、149万人を超える。


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    バズフィード・ジャパン ニュース記者

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