財務省の福田淳一事務次官が女性記者に対してセクハラ発言をしていた、と週刊新潮が疑惑を報じた。
それに関連し、テレビ朝日は4月18日夜、ニュース番組「報道ステーション」で、セクハラ発言の被害者が、自社の女性社員だったと発表した。
同社は19日午前0時すぎから会見し、今週中に公表しようとしていたが、福田氏による辞任表明の会見があったため、このタイミングで明らかにしたと説明した。
これまで福田氏や麻生太郎財務相がどう発言していたか振り返る。
週刊新潮はその日にWebサイトで、「胸触っていい?」「手縛っていい?」などの発言を確認できる音声を公開。
報道陣の問いかけに福田氏は無言を貫いた。
【16日】財務省は、福田氏が事実を否定したとする調査書を公表。福田氏は、新潮社を名誉毀損で提訴する準備を進めている、とした。
さらに、財務省は、同省の記者クラブに加盟する報道各社に対して、女性記者に名乗り出るよう求める異例の呼びかけをした。このやり方が、批判の声を強めた。
福田氏は調査に対し、「お恥ずかしい話だが、業務時間終了後、時には女性が接客をしているお店に行き、お店の女性と言葉遊びを楽しむようなことはある」と述べたという。
この発言について、18日に辞任を表明した場で「言葉遊びのところは結構ご批判を受けた。というのはなるほど、今の時代はそういう感じなのかと」と報道陣に答えた。
【17日】麻生氏は、音声データについて「自分は聞いていて福田次官かなという感じがした」と話した。
「週刊誌の報道は事実と異なっており、裁判で明らかにしたい」と疑惑については引き続き否定し、「財務省が大変な状況にあるなか、事務次官の職責を果たすことが困難になったと判断し、麻生財務大臣に辞意を伝えた」と述べた。
そしてこの日の夜、テレビ朝日は「報道ステーション」で、セクハラ被害に遭ったのが自社の女性社員であると発表。
【19日】テレビ朝日は午前0時すぎ、記者会見を開いた。
女性社員は福田氏からたびたびセクハラ発言を受け、録音を開始。テレビ朝日が報じるべきだ、と上司に相談したが、本人が特定され、二次被害の恐れがあると断られたいう。
それを受け、「不適切な行為が表にされなければ、セクハラ被害が黙認されてしまう」との思いから、週刊新潮に連絡し、取材を受けたと説明した。
篠塚浩報道局長は会見で、「情報があったのに適切に対応できず、深く反省している」と語った。