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Updated on 2020年8月19日. Posted on 2020年8月13日

中国国旗を掲げる人たちの動画を引用し「このような方達が入国可能に」 拡散した投稿はミスリード

中国国旗を掲げてデモをする人たちを映した動画の投稿を引用リツイートし、「このような方達が本日から入国緩和で8万8千人日本に入国可能になりました」と記した投稿が拡散した。この情報は、ミスリードだ。

Twitterで、中国国旗を掲げてデモをする人たちを映した動画の投稿を引用リツイートし、「このような方達が本日から入国緩和で8万8千人日本に入国可能になりました」と記した投稿が拡散した。

「このような方達」とは中国人を指すと読み取れる。その解釈に基づくとすれば、この情報は、ミスリードだ。BuzzFeed Newsはファクトチェックを実施した。

Twitterより

ツイートは、8月2日の別のユーザーの投稿を引用リツイートする形で、5日にあった。

2日の投稿には動画が添付され、屋外で人々が複数の中国国旗を掲げ、「大阪難波高島屋前中国人デモ 巨大旗・国歌」と赤い文字で説明書きがあるのが確認できる。この動画を添えたユーザーは、「大阪なんば高島屋前 指令一つで工作員になるシナ大量流入」とツイートした。

この投稿に対し、「このような方達が本日から入国緩和で8万8千人日本に入国可能になりました」と引用リツイートされ、拡散した。

政府が実施した再入国制限を緩和

Tomohiro Ohsumi / Getty Images

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先述の通り、「このような方達」とは中国人を指すと解釈でき、この情報はミスリードだ。

制限を緩和し、入国可能となるのは中国人に限った話ではなく、日本に在留資格を持つ外国人が対象となっている。

ツイートが指す「本日から」というのは、日本に在留資格を持つ外国人の再入国が可能になったことだと見られる。

外務省によると、8月5日から留学生や技能実習生、外国企業の駐在員などの在留資格を持つ外国人を対象に、再入国の制限を緩和した。

新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から政府が入国拒否の地域に指定する前に、再入国の許可を得てその地域に向けて出国した人の日本への再入国が可能となった。

毎日新聞などによると、出国中の約10万人のうち、約8万8000人が対象になる見通しだという。

ツイートには差別的なコメントも

Tomohiro Ohsumi / Getty Images

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つまり、「このような方達が本日から入国緩和で8万8千人日本に入国可能になりました」というツイートは、在留資格を持つ外国人が入国可能になったという意味に置いては、事実が含まれる。

しかし、中国国旗を掲げる人たちの動画を引用したうえで「このような方達」と表記しているため、「中国人が8万8千人入国する」という意味を持つことにもなり得る。

実際に、この投稿には「中共戦闘員を入れてどうする」「直ぐに中国に帰宅して下さい」などとコメントがついているほか、「中国人そのものがウィルス!」と差別的な言コメントもあり、ミスリードを誘っている。

また、このツイートが引用した動画ツイートには「シナ」という言葉が使われている。

「シナ」は、差別的なニュアンスが含まれているとして、中国側は使用を拒否している。

2016年10月には、沖縄の米軍ヘリパット建設用地周辺で、大阪府警から派遣された機動隊員が建設に抗議する市民に「だまれ、こら、シナ人」と発言。沖縄県警は「差別的で不適切」と謝罪。大阪府警が機動隊員を懲戒処分した。


BuzzFeed JapanはNPO法人「ファクトチェック・イニシアティブ」(FIJ)のメディアパートナーとして、2019年7月からそのガイドラインに基づき、対象言説のレーティング(以下の通り)を実施しています。

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  • 不正確 正確な部分と不正確な部分が混じっていて、全体として正確性が欠如している。
  • 根拠不明 誤りと証明できないが、証拠・根拠がないか非常に乏しい。
  • 誤り 全て、もしくは根幹部分に事実の誤りがある。
  • 虚偽 全て、もしくは根幹部分に事実の誤りがあり、事実でないと知りながら伝えた疑いが濃厚である。
  • 判定留保 真偽を証明することが困難。誤りの可能性が強くはないが、否定もできない。
  • 検証対象外 意見や主観的な認識・評価に関することであり、真偽を証明・解明できる事柄ではない。

バズフィード・ジャパン ニュース記者

Contact Kensuke Seya at kensuke.seya@buzzfeed.com.

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