米アリゾナ州フェニックスのステート・ファーム・スタジアムで2月12日(現地時間)、アメリカのプロアメリカンフットボールリーグ(NFL)の決勝戦「スーパーボウル」が開催された。
毎年目玉のハーフタイムショーでは、リアーナが圧巻のステージを披露した。そして、彼女と同様の注目を浴びた人物がいる。手話通訳者のジャスティナ・マイルズさん(20)だ。

エネルギーにあふれ、ダンスのようなマイルズさんの通訳は話題になり、特に「Bitch Better Have My Money」と「All of the Lights」を手話で表現する動画はSNSで拡散された。
Loving the spark and energy of Justina Miles, the ASL performer for the #SuperBowl. Just fantastic! 🤟🏾 #FentyBowl
「スーパーボウルの手話通訳者、ジャスティナ・マイルズの輝きとエネルギーがすごかった。ただただすばらしい」
ASL interpreter Justina Miles put on A SHOW during Rihanna’s halftime performance ✨ (via @NFL, h/t @RollingStone)
「Bitch Better Have My Money」のパフォーマンス
今年のスーパーボウルには、マイルズさんを含め3人の手話通訳者がいた。マイルズさんは、女性の聴覚障害者としては史上初めての出演だ。
Shoutout Justina Miles! The first Black deaf woman to perform American Sign Language at the Super Bowl pre-game and halftime shows. #SuperBowl #SuperBowlLVII
マイルズさんが世間の注目を浴びるのは、今回が初めてではない。2020年、バイラルになるのは今回が初めてではない。彼女は2020年、ラッパーのリル・キムの「Crush on You」を通訳するTikTokを投稿し、一躍有名になった。
リル・キム本人もこの動画をシェアし、100万回以上の再生回数を記録した。
The tik tok girls are really killing it wow 😍😍😍
「Crush on You」を通訳するマイルズさん
マイルズさんは、アスリートでもある。2021-2022年のデフリンピック(聴覚障害者のためのオリンピック)で、アメリカの陸上女子リレーチームで銀メダルを獲得した。現在は、メリーランド州のボウイ州立大学で看護学生をしながら、チアリーダーとしても活躍している。
試合前の記者会見でマイルズさんは、自分のパフォーマンス、特に「Lift Every Voice and Sing」の通訳で、黒人のろう者を元気づけたいと語った。
「Lift Every Voice and Sing」は、リアーナの前にシェリル・リー・ラルフのパフォーマンスで歌われた。黒人たちの聖歌とも言われる曲だ。
「この曲は、すべての声、私の声さえも高めてくれると感じています」
.@thesherylralph with an incredible rendition of "Lift Every Voice and Sing". #SBLVII
シェリル・リー・ラルフが歌う「Lift Every Voice and Sing」
また、国歌斉唱ではろう者の俳優、トロイ・コッツァーも手話通訳者として登場している。コッツァーは昨年『コーダ あいのうた』に出演し、ろう者として初めて助演男賞に輝いた。
@TroyKotsur absolutely killed it with his #ASL performance of the national anthem alongside @ChrisStapleton at the #SuperBowl. Everyone needs to see this!
「スーパーボウル、クリス・ステイプルトンの国歌斉唱で、トロイ・コッツァーが見事に手話通訳パフォーマンスをやってのけた。みんなこれ見てよ!」
この記事は英語から翻訳・編集しています。翻訳:髙橋李佳子