築地市場の閉鎖とともに、惜しまれつつ閉店した吉野家の築地1号店。
あれから一週間。往年の吉野家ファンからは悲しみの声が相次いでいましたが、ここで朗報です。
豊洲市場にも吉野家が誕生しました!
魚河岸に“復活”した吉野家は、10月11日から市場関係者向けの営業を開始。13日午前10時からは一般客も利用できるようになりました。
というわけで、早速行ってきました。
店頭には、築地1号店で掲げられていたオレンジの暖簾が…!
築地1号店の魂を受け継ぐという、誇りと覚悟を感じます。
店員さんの制服は?
築地1号店では、オレンジと紺色の和服調でしたが、豊洲市場店の制服は他の店舗と同じ緑を基調とした制服になりました。
早速お店に入りました。
座席数は1号店と同じ15席。小さめのコの字型のカウンターが2つ。
席に座ると、瞬時にお水が提供されます。
「あたまの大盛りください」
そう注文すると、店員さんが「あたま一丁!」と厨房にオーダーを通す声が響きます。
待つことわずか40秒。目の前には、艷やか玉ねぎが載った牛丼が現れました。
これが豊洲の「あたまの大盛り」だ!
ご飯の量は並ですが、肉が多いのが「アタマの大盛り」。
力仕事の多い魚河岸の人々の胃袋を満たしてきた看板メニューです。
気になるのは丼の色。今はなき築地1号店では、「アタマの大盛」は専用の緑色の丼で提供されていました。伝票ではなく器の色で会計を勘定していたためです。
豊洲市場店ではどうなのか。見てみると…
通常の赤い丼でした。
吉野家ファンにとっては「聖地の証」とも言える緑の丼との別れは寂しいですが、気を取り直して牛丼を食べましょう。
甘辛いつゆが染み込んだ牛肉と玉ねぎ。それを白米とともに、一気にかきこむ。
「ハムッ、ハフハフ、ハフッ!!」
「あぁ、この味。この味だよ…!」
それはまさしく、私が一週間前に今は亡き築地1号店で食べた「あたまの大盛り」と同じ味でした。
「裏メニュー」はどうなる?
築地1号店といえば、「トロダク(脂身が多い牛肉を盛付ける)」や「肉下(ご飯と牛肉を反対に盛付ける)」などの“裏メニュー”も人気でした。
こうした裏メニューはどうなるのでしょうか。
吉野家の広報担当者はBuzzFeed Newsの取材に対し、「移転したばかりでレイアウトやオペレーションに不慣れなため、当面の間は特殊メニューの対応は控えさせていただきます」と回答しました。
というわけで、裏メニューはしばらく封印されるようです。でも、無くなったわけではないので、復活が待ち遠しいですね。
「築地と同じ味だ」
2つ隣の席で「あたまの大盛り」を食べていた、仲卸業の50代男性に話を聞きました。
こちらの男性は築地1号店でも常連だったそうです。食べ終わってすぐに店を出られるよう、注文と同時に会計を済ませていました。完全にプロです。
男性は「駐車場からはちょっと離れている」と述べる一方、「築地と同じ味が豊洲でも食べられるってのはいいよね」と喜んでいました。
「はやい、やすい、うまい」。築地1号店が守り続けてきた牛丼の灯は、ここ豊洲市場店に無事受け継がれたようです。
ごちそうさまでした!