超能力者を自称するユリ・ゲラー氏が3月22日、イギリスのEU離脱(ブレグジット)を「超能力で止める」と表明した。
ゲラー氏は1946年、テルアビブ生まれ。1970年代に日本のテレビ番組で「スプーン曲げ」などで脚光を浴びた。現在はイギリスに在住している。
ゲラー氏は23日、自身のFacebookでテリーザ・メイ首相への公開書簡を発表。メイ首相の首相就任や、ドナルド・トランプ氏がアメリカ大統領選に勝利したことを的中させた“実績”があると示した。
その上で、「大多数のイギリス人がブレグジットを望んでいないことを、超能力的にとても強く感じる」とし、「私は貴方をとても愛している。だが、私は貴方がイギリスをブレグジットに導くことを許さない」「私が超能力で止める」と表明した。
ゲラー氏によると、メイ首相とは20年以上の親交があるという。
英ガーディアンによると、ゲラー氏は「毎日、午前11時11分と午後11時11分、EU離脱を思いとどまるようメイ首相に向かってテレパシーを送ってほしい」と呼びかけているという。
このままでは「合意なき離脱」か
イギリス・ロンドンでは3月23日、EU離脱反対と2度目の国民投票を求める大規模なデモがあった。
イギリスのEU離脱は当初29日に予定されていたが、イギリス下院で離脱協定案が承認されず混迷が続いている。イギリスとEU側は、ひとまず離脱を延期することで合意した。
下院では近く離脱案の3度目の採決が実施される予定だ。
BBCによると、イギリス政府とEUがまとめた離脱協定案を下院が承認すれば、離脱日は5月22日となる見通しだ。しかし、協定が承認されなかった場合は、当初の予定からわずか2週間後の4月12日となる。
メイ首相は離脱協定案の承認をとりつけることができるのか。もしできなければ、何の取り決めもないままイギリスがEUを離脱する「合意なき離脱」となり、政治的・経済的混乱は避けられそうにない。
ユリ・ゲラーの力で、スプーンのように国の方針は曲がるのだろうか。