貴乃花親方が退職届を出した2つの理由とは。その足跡、5つのポイント

    元横綱の貴乃花親方が記者会見を開き、日本相撲協会に退職届を提出した理由を説明。何があったのか。

    退職理由は、日馬富士事件の「告発状」

    日馬富士による傷害事件では、日本相撲協会の対応に問題があったとして、貴乃花親方が内閣府に是正措置を求めて「告発状」を提出した。

    のちに自身の弟子が暴行事件を起こしたことで取り下げたが、「告発状の内容に何ら真実に反する点はありませんでした」と主張。

    8月7日、日本相撲協会に依頼された弁護士の書面が届き、「告発状の内容は事実無根な理由に基づいていた」と結論づけた書面が届いたという。

    これを受けて貴乃花親方は、「告発状の内容に事実無根の内容ではなかった」と協会側に再度書面で主張。これに対し、協会側からは親方業を廃業せざるを得ないという「有形無形の要請を受け続けてきた」と、圧力があったことを示唆した。

    「一門に所属しなければ部屋を持てない」

    さらに貴乃花親方は退職を決意した背景として、相撲協会の理事会が決定した「あること」にも言及した。

    理事会では7月、全ての親方は5つある一門(出羽海、二所ノ関、高砂、時津風、伊勢ケ浜)のいずれかに所属することが定められた。

    貴乃花親方によると「一門に所属しない場合、自分の部屋を持つことができない」という内容だった。

    さらに、貴乃花親方はこう述べた。

    「私はいずれの一門に入る条件として、告発の内容は事実無根な理由によるものだと認めるよう要請があった」
    「内閣府に提出したものは事実無根な理由ではない。真実を曲げることはできない」
    「このままでは力士たちが安心して鍛錬、精進することができない」

    こうした理由から、貴乃花親方は日本相撲協会に退職届を提出したという。

    現役引退の時には「すがすがしい心境」と語っていた貴乃花親方。

    ひるがえって、今の心境を報道陣から問われると「苦渋の決断ではありますが、なにより弟子たちの将来を見据えて断腸の思い」と語った。

    かつては相撲協会ナンバー3だった貴乃花親方

    「平成の大横綱」貴乃花親方は、どんな人?

    1:最年少記録を樹立しまくり

    2:「若貴フィーバー」で空前の相撲ブーム

    3:小泉首相も「感動した!」

    4:「非常に、すがすがしい」引退会見

    5:名力士だけが許される「一代年寄」だった

    相撲協会、貴乃花親方の主張を否定

    貴乃花親方の会見を受け、日本相撲協会は芝田山広報部長(元横綱大乃国)が会見した。

    朝日新聞などによると、芝田山親方は「告発状が事実無根だと認めるよう有形無形の圧力を受けた」という貴乃花の主張に対し「そのような事実は一切ない」と反論。

    協会側が、一門に所属しない親方は部屋を持てないと決めたことについて「一門に所属して一緒にやろうと何度も説得した。告発状が事実無根だと認めなければ一門に入れないと圧力をかけた事実はない」と話した。

    また、貴乃花親方から提出されたのは「引退届」であり、親方が辞める場合に必要な相撲協会の「退職届」ではなかったため、受理していないという。

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