安倍首相と共産・志位氏、互いに「馬鹿げた案だ」と応酬(党首討論・発言詳報)

    共産党の志位和夫委員長は、金融庁の金融審議会の報告書で年金への不安が広がっていると指摘。「マクロ経済スライドを辞めて、高額所得者優遇の保険料のあり方を正すべきだ」と提案した。

    時事通信

    国会では6月19日午後、安倍首相と野党党首の党首討論が開かれた。

    共産党の志位和夫委員長は、金融庁の金融審議会の報告書で年金への不安が広がっていると指摘。「マクロ経済スライドを辞めて、高額所得者優遇の保険料のあり方を正すべきだ」と提案した。

    この提案は、同党の小池晃書記局長が10日の参院決算委員会で提案したものだが、安倍首相はこの時「馬鹿げた提案だ、間違った政策」と批判していた。

    これを志位氏が再提案。「マクロ経済スライドを続けて貧しい年金にしてしまうほうが馬鹿げた政策」と指摘した。

    これに対し、安倍首相も「マクロ経済スライドを辞めてしまうという考えは、もう一度申し上げるが馬鹿げた案だと思う」と発言。共産党の提案を改めて批判した。

    安倍首相と志位氏の討論時間は5分30秒。発言は志位氏が2回、安倍首相が1回。やりとりは1往復だった。

    討論の詳細は以下の通り。

    志位氏「高所得者優遇の保険料、是正すべき

    時事通信

    志位1:金融庁が、夫婦の老後資金として公的年金以外に、30年で2000万円が必要との報告書を公表したことが、年金への不安を広げている。

    年金への不安は、これにとどまるものではない。マクロ経済スライドによる給付水準の引き下げという大問題がある。

    直近の公的年金の財政見通しによれば、マクロ経済スライドは現在41歳の人が65歳で年金を受け取れるまで続き、受け取れる年金水準は平均的な高齢夫婦世帯で月額4万3000円、30年間で1600万円減らされる。

    先日の参院決算委員会で、我が党の小池晃議員が「マクロ経済スライドは辞めるべきだ」と求めたのに対し、(総理は)「年金は給付と負担のバランスで成り立っている。やめてしまうというのは無責任で馬鹿げた政策」と言った。

    しかし、今でさえ老後の生活を支えられない貧しい年金を、マクロ経済スライドを続けて、さらに貧しい年金にしてしまうことこそ、私は無責任で、馬鹿げた政策と言わなければならない。

    マクロ経済スライドを中止しても、給付と負担のバランスをとる手立ていくつもある。

    私は手立ての一つとして、高額所得者優遇の保険料のあり方を正すことを、今日は具体的に提案する。

    今の年金保険料は、月収62万円。ボーナス含め年収で約1000万円を超えると保険料負担が増えない仕組みになっている。年収が約1000万円の上限を超えると、2000万円の人も1億円の人も、みんな保険料は同じ。年間95万5000円だ。

    そこで提案だが、約1000万円の上限額を健康保険と同じ約2000万円まで引き上げる。そのことによって、約1.6兆円の保険料収入が増える。その際、アメリカでやっているような高額所得者の年金給付の伸びを抑制する仕組みを入れる。

    そうすれば、それによる給付増分を差し引いても、毎年約1兆円の保険料収入を増やすことができる。

    この1兆円を、マクロ経済スライドをやめて、減らない年金にする財源に充てる。これが提案だ。

    総理に伺う。年収1000万円以上になると保険料が増えなくなる、高額所得者優遇の保険料のあり方を正すべきではないか。端的にお答えを。

    安倍首相「マクロ経済スライドを辞めるのは馬鹿げた案」

    時事通信

    安倍1:この議論で大変残念なのは、先程の党首(国民民主党・玉木雄一郎氏)の議論で、年金の積立金が枯渇するというときに拍手が起こったことです。

    (野次があがる)

    そういう議論はするべきではないし、テレビを見ている方がいるので。大切なこと。基礎年金の運用については44兆円プラスになっていることははっきり申し上げたい。

    マクロ経済スライドに関する質問だが、マクロ経済スライドについては、先程来お話しているように、平均寿命が伸びていくから給付は増えていく。生産年齢人口が増えていくから、当然これは被保険者は減っていく。

    その部分を調整していく数字によって、将来の受給者の所得代替率を5割を確保していくというもの。それがいま、発動されて、それが0.9から0.2になったということ。まさに改善したと申し上げている。

    さきほど散々毀損されたので、そのことは申し上げておく。

    その上で、共産党の主張はマクロ経済スライドを廃止して、将来の受給者の給付、その上でかつ将来の受給者の給付を減らないようするには、7兆円の財源が必要だ。

    皆さんは財源があるとおっしゃる。7兆円というのは巨大な財源。巨大な財源があるというのは、これは、まぁ…かつて聞いたことあるような話だ。そう簡単には出てこない。

    いずれにしても、私達はマクロ経済スライドのかたちにおいて、今のかたちで、その発動で、今の受給者と将来の受給者のバランスを図っていく。

    あるいは、将来の給付と負担のバランスを図っていきたいと考えている。志位委員がおっしゃった提案は、まずはちゃんと検証しなければ数字は明らかではない。1超数千億では賄えない。7兆円と全く額が違う。

    マクロ経済スライドを辞めてしまうという考えは、もう一度申し上げるが馬鹿げた案だと思う。

    志位氏「具体的提案に対する答えが一切ない」

    志位2:私は、減らない年金をするための具体的提案をやった。それに対するお答えが一切ない。7兆円というのは、私達の暮らしを応援する政策のパッケージでやる財源の問題。

    この問題、マクロ経済スライドをやるということは、いまの年金の水準を6割から5割へ、現役世代との所得代替率を減らすわけでしょ。これ減っていくんですよ。

    私は、いま政治に求められているのは、貧しい年金の現実を直視して、安心の年金に変えるための責任を果たすことだ。報告書を隠蔽することじゃないと申し上げて終わります。


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