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沖縄で自民系候補だけ掲載のフリーペーパー宅配される 前回知事選では安倍首相も登場

発行元は「あくまでマーケティング」と説明。前回知事選のあった4年前にも配布された。

沖縄県知事選の告示直前、那覇市内でフリーペーパーが宅配された。

Kota Hatachi / BuzzFeed

フリーペーパーは「OKINAWA HEADLINE」というタイトル。配られたのは、9月上旬のことだ。

題字の横には「SEPTEMBER, 2018 vol.19」とある。カラーのタブロイド版で、4ページの構成だ。

表紙では俳優のインタビューを掲載。2ページ目と3ページ目では、エンタメ情報やスポーツ記事を伝えている。

BuzzFeed Newsは那覇で実物を入手した。

Kota Hatachi / BuzzFeed

引退目前だった安室奈美恵さんの動向などのエンタメ情報とともに、同じく告示目前だった沖縄県知事選に自民・公明などの推薦で立候補する佐喜眞淳氏の単独インタビューが掲載されていた。

Twitterなどでは「違和感がある」「佐喜眞氏のPRなのでは?」といった声が出ている。

自宅ポストに投函されていたという那覇市在住の40代女性は、BuzzFeed Newsの取材にこう語った。

「芸能やバラエティ関連のフリーペーパーだと思ったのに、佐喜眞さんの顔写真を見た瞬間、『なぜ?』という違和感しか感じませんでした」

「なので、安室ちゃんや映画情報などを読んでも頭に入らなかったというのが実感です。芸能人の政治利用と受け取られかねないと思いました」

最終ページには佐喜眞氏のインタビュー。

Kota Hatachi / BuzzFeed

最後の4ページ目では、全面を使って沖縄県知事選で自民・公明などが推薦する佐喜眞氏の単独インタビューを載せている。

知事選には4人が立候補しているが、他の候補者のインタビューや、各候補者の紹介などは掲載されていない。

発行した会社は「那覇市内で戸別配布した」

このフリーペーパーの1面下部には、URLと会社名、東京都渋谷区の住所、電話番号が記されていた。東京都内でフリーペーパー「TOKYO HEADLINE」を発行している株式会社「ヘッドライン」だ。

同社に「OKINAWA HEADLINE」を発行した経緯を問い合わせた。

マーケティング担当者が取材に応じた。この担当者はBuzzFeed Newsに対し、「OKINAWA HEADLINE」を9月に「那覇市内で戸別に配布した」とポスティングしたことを認めた。

これまでにも東京以外に大阪・岡山などで媒体名を変えて、同様の地方版を発行しているという。

今回のポスティングは県知事選の告示直前だったが、「選挙とは関係ない。どのタイミングで発行するのかは完全に不定期だ。沖縄版は今回で19回目の発行になる」と述べた。

前回の知事選前にも発行され、安倍首相が登場

Toru Hanai / Reuters

この会社のサイトでは、「OKINAWA HEADLINE」は2013年12月から発行を開始したと記載されている。

2014年1月には、名護市で市長選があった。同市辺野古地区は、米軍基地の移転予定地だ。

以降、佐藤正久外務副大臣(12号)、中谷元・元防衛相(13号)、安倍晋三首相(14号)ら自民党の政治家のインタビューを掲載した紙面が発行されていた。

それぞれの沖縄での思い出などだけでなく、基地問題や集団的自衛権の問題などの政策について語っているものもある。

2014年8月27日の各紙の首相動静には、「OKINAWA HEADLINE」の名前が出ている。たとえば産経新聞では以下の通りだ。

【午後】1時32分、甘利経済再生相、松山内閣府事務次官。51分、松山氏出る。2時8分、甘利氏出る。20分、防衛省の豊田官房長、黒江防衛政策局長、三村経理装備局長。52分、女性有識者との意見交換。4時7分、北村内閣情報官、防衛省の宮川情報本部長、鈴木防衛政策局次長。19分、宮川、鈴木両氏出る。35分、北村氏出る。38分、フリーペーパー「OKINAWA HEADLINE」のインタビュー。5時7分、月例経済報告関係閣僚会議。23分、麻生副総理兼財務相。7時1分、東京・富ケ谷の自宅

佐藤氏は自身のFacebookで「地元紙は著しく偏向していますので誤った情報で市民を洗脳しようとしています。OKINAWA HEADLINEのような媒体が沖縄県内で無料で配布されているということは立派なことだと感心します」と紹介した。

安倍首相のインタビューを掲載した同紙(14号)が発行されたのは2014年9月中旬。翌月末には、前回の沖縄県知事選が告示された。

この時は、那覇市長を辞して立候補した故翁長雄志氏が、現職の仲井眞弘多氏(自民推薦)を破って当選した。争点は、辺野古の基地問題だった。

世耕弘成・元内閣官房副長官

OKINAWA HEADLINEが那覇市の自宅に入っていました。前号は安倍首相の単独インタビュー。母体?のTOKYO HEADLINEは東京で時々見てて政治色感じませんでしたが。本紙35万部ほか計87万部発行とか。沖縄発行の狙いは。

「あくまでマーケティング」

担当者は「OKINAWA HEADLINE」について、「あくまでマーケティングとしてやっている」と説明。

各家庭に配布した理由は「ポスティングをして、レスポンスを見るため。それ以上は弊社の戦略上、詳しくはお話できない」とするにとどめた。

発行部数や実際の配布部数は「非公表」としている。

選挙の告示直前に自民・公明が支援する候補のインタビューを掲載した経緯について、担当者は以下のように答えた。

「編集の方でやっているので、どういった経緯・意図であるか、お答えできない」

「今後、弊社が媒体を続けていく上で、情報収集をしている」

「テストマーケティングとして沖縄で配布をしただけで、経緯についてお答えする必要はない」

「PRではない」

Kota Hatachi / BuzzFeed

担当者は、特定の候補者のPRではない、とした。一方、投票日までに他の候補者の記事を掲載する予定は「ない」という。

BuzzFeed Newsでは「OKINAWA HEADLINE」編集部にも発行の経緯を問い合わせた。「文書で質問項目を送ってほしい」と回答があった。質問状を送ったところ、期限までに回答はなかった。

回答があり次第、追記する。