「ネイチャー誌、サイエンス誌の9割は嘘」 ノーベル賞の本庶佑氏は説く、常識を疑う大切さを。

    「自分の目で確信できるまでやる。それが僕のサイエンス」

    冒頭発言「自分の研究、意味があったと実感」(全文)

    研究で大事なのは「自分の目で確信ができるまでやる」

    会見では、報道陣から「研究にあたって心がけていることやモットーは」と問われる場面も。

    本庶氏は著名な科学誌「ネイチャー」と「サイエンス」を挙げてこう語った。

    私自身の研究(でのモットー)は、「なにか知りたいという好奇心」がある。それから、もう一つは簡単に信じない。

    よくマスコミの人は「ネイチャー、サイエンスに出ているからどうだ」という話をされるけども、僕はいつも「ネイチャー、サイエンスに出ているものの9割は嘘で、10年経ったら残って1割だ」と言っていますし、大体そうだと思っています。

    まず、論文とか書いてあることを信じない。自分の目で確信ができるまでやる。それが僕のサイエンスに対する基本的なやり方。

    つまり、自分の頭で考えて、納得できるまでやるということです。

    子どもたちに育んでほしい「不思議だなと思う心」

    研究者になるにあたって大事なのは「知りたい」と思うこと、「不思議だな」と思う心を大切にすること、教科書に書いてあることを信じないこと、常に疑いを持って「本当はどうなっているのだろう」と。

    自分の目で、ものを見る。そして納得する。そこまで諦めない。

    そういう小中学生に、研究の道を志してほしいと思います。

    あくまで「自分の目」で確かめて納得することの大切さを重んじる、本庶氏らしいメッセージだった。