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鳩山元首相「北海道地震は人災だ」→警察は「流言飛語」にリストアップ、気象庁も否定

北海道警は「公的情報とは異なる内容を『流言飛語認知状況一覧』に選んだ」

北海道で2月21日夜に発生した地震を受け、道庁に設置された災害対策本部の会議に提出された資料に、Twitterに投稿された「流言飛語」として鳩山由起夫元首相のツイート内容が紹介されてることが分かった。

北海道の公式サイトでは、今回の地震を受けて開かれた災害対策本部の本部員会議の資料が公開されている。

22日午前8時から開催された「第2回本部員会議」の資料の19ページ目に「流言飛語認知状況一覧」という項目がある。

「俺の親戚が自衛隊なんだけど明日の朝本震来るって」「6時間後には本震がきます」など、Twitterに投稿された6つのツイート内容が列挙されている。

その中で「No.2」として紹介されているものは、鳩山由紀夫元首相が投稿したツイートだった。

苫小牧市で行われている二酸化炭素の地下貯留処分(CCS)実験が地震を引き起こしたのではないか、という内容だ。

このツイートは、地震発生から19分後の2月21日午後9時41分に投稿された。22日午後4時現在、7400以上リツートされ、拡散している。

鳩山氏は以前から、CCSを批判するツイートを続けている。

CO2の地下貯留のCCSプロジェクトが苫小牧で行われている。大変に大きな圧力をかけてCO2を地下に埋めるのだ。しかし米陸軍の調査では、CCSの15キロ離れた辺りで地震が頻発したという。昨年の北海道の厚真地震は正に苫小牧の隣町で起きた。CCSによって起こされた人災との指摘は無視できないと思う。

Via Twitter: @hatoyamayukio

道警「公的情報とは異なる内容をまとめた」

北海道広報広聴課によると、「流言飛語認知状況一覧」は北海道警から提出されたものだという。担当者はBuzzFeed Newsの取材に「道警から『地震を受けて、こういった投稿がSNSで確認されている。道でも注意を呼びかけてほしい』と要請を受けた」という。

北海道警広報課はBuzzFeed Newsに、この一覧表を作った理由を「災害情報を正しく理解してもらうため、公的情報とは異なる内容を『流言飛語認知状況一覧』としてピックアップした」と説明した。

その上で「こちらで裏付けがとれない情報を掲載している」「中には、自分の考えや意見を発表している人がいるが、被災者の中にはこうした情報に惑わされる人もいらっしゃる。あくまで道庁や気象台、警察など公的機関から正確な情報を得てほしいという趣旨で今回の資料をまとめた」と述べた。

北海道はTwitterで「『5、6時間後には本震がくる』といったような、根拠のない情報がSNSで発信されています。こうした情報に惑わされることなく、公的機関の発表する情報を確認するようにしてください」と呼びかけている。

気象庁「CCSが理由ではない」

なお、CCSをめぐっては米国で「地震を引き起こすリスクがある」という研究もある。

一方、気象庁は2月21日夜の地震の原因を「昨年9月の北海道胆振東部地震の一連の地震活動によるもの」とみている。

CCSによって地震が引き起こされた可能性があるかというBuzzFeed Newsの質問に、気象庁地震津波監視課の担当者は「特段そのような理由とは考えていない」と答えた。

BuzzFeed Newsは鳩山氏側に見解を問い合わせている。回答があり次第、追記する。