「表現の不自由展」を塞ぐ扉が開かれた。「あなたの不自由」を伝えるために。

    国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展の一つで、現在展示が中止されている「表現の不自由展・その後」。その展示室へと到る扉は閉鎖されていたが、9月29日に扉が開かれた。

    国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展の一つで、現在展示が中止されている「表現の不自由展・その後」。その展示室へと到る扉は閉鎖されていたが、9月29日に扉が開かれた。

    ただ、扉の先にある「表現の不自由展・その後」の展示は再開されていない。

    扉は、「#YOurFreedom プロジェクト」の展示スペース拡大のために開かれたという。

    #YOurFreedom 拡張‼︎ 扉と壁が声でいっぱいになったので、本日第一の扉が開きました。CIRの展示室内、そして不自由展を塞ぐ壁に、これからは声が張られていきます。

    扉のオープンは、全ての展示再開を目指すアーティストたちのプロジェクト「ReFreedom_Aichi(リフリーダム・アイチ)」が展開する「#YOurFreedom プロジェクト」の展示スペースの拡張のためだという。

    このプロジェクトでは、来場者がこれまでに感じた不自由なこと(「あなたの不自由」)を付箋に書いてもらい、それを閉鎖された展示室の扉に貼りつけることで、展示再開を支持する人々の声の可視化を目指している。

    あいちトリエンナーレ広報によると「#YOurFreedom プロジェクト」の付箋の数が増え、貼れる場所が手狭になった。そのため、扉の内側にも付箋が貼れるようにする措置だという。

    大村秀章・愛知県知事は25日、「表現の不自由展・その後」の展示再開を目指す意向を表明している。

    文化庁は26日、採択を決めていた「あいちトリエンナーレ」への補助金約7800万円全額を交付しないことを決定。これを受けて、大村知事は国の第三者機関「国地方係争処理委員会」に審査を申し出るほか、国と裁判で争う意向を示した。

    文化庁の補助金不交付の決定を受けて、アーティストや有識者たちからは「検閲と言われても仕方ない」「あってはならない」などの声が相次いで上がった。

    本日、あいちトリエンナーレ2019に対する、交付金不交付を受け、文化庁の決定に強く抗議します!! 是非、みなさま下記URLよりご賛同、ご署名下さい!よろしくお願いします! https://t.co/1df5b4R3u1

    署名サイト「Change.org」では、文化庁に決定の撤回を求める署名がはじまっており、29日午後6時10分現在で賛同者は8万9000人を超えた。