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【W杯】「日本代表のロッカールームにゴミが散乱」→誤り。試合後に海外で画像が拡散、実際は…

サッカーW杯の日本代表のロッカーがゴミで散らかっているといった投稿が拡散していますが、誤りです。海外の報道機関もファクトチェックしています。

サッカーW杯(カタール)に出場している日本代表が、コスタリカ戦後にゴミを撒き散らしてロッカールームを去った、という趣旨の投稿がSNS上で拡散している。

しかし、この投稿に添付された「証拠写真」は日本代表のものではなく、W杯前の今年3月に撮影されたイタリア代表のロッカールーム。投稿は「誤り」だ。

BuzzFeed Newsはファクトチェックした。

経緯を振り返る

SNS上に出回っているのは、ロッカールームの床にペットボトルや箱、紙切れなどのゴミが散乱している様子を撮影した3枚の写真。

約50万フォロワーがいる「Troll Footbal EU」がFacebook上で、「コスタリカ戦後の日本のロッカールーム」と発信した。

Facebookでは1万人以上が「いいね」し、同様の写真はTwitterなどSNS上で広く出回っている。

日本のロッカールームではない

しかし、これは日本代表のロッカールームで起きた出来事ではない。

この写真は、W杯前の今年3月時点でTwitter上に出回っていることが確認できた。

発信元は3月26日、「イタリア、屈辱のロッカールーム」「北マケドニア戦の翌日、アズーリ(イタリア代表の愛称)のドレッシングルーム」と記載し、動画を添付。

イタリア代表は3月25日(日本時間)に行われたW杯欧州予選で北マケドニアに負けている。

🚨Italia, gli spogliatoi della vergogna🚨 Ecco come si presentava lo spogliatoio degli azzurri il giorno dopo la partita con la Macedonia del Nord: figura pessima fatta dai giocatori Un'autentica vergogna, un'assoluta mancanza di rispetto #italia #mancini #Cannavaro #Palermo

Twitter: @GragFredericks

Twitterから

そしてこの動画を見ると、今回ファクトチェック対象となった3枚の写真と全く同じ点がいくつもあることがわかる。

例えば、ロッカールーム内に設置された木製のような椅子、ペットボトルの散乱場所、床の色、選手が映ったポスター、箱からあふれたゴミの位置などだ。

逆に、今回のW杯で日本代表が使用しているロッカールームとは全く別であることも確認できる。

FIFAの公式アカウントが11月24日、Twitter上にアップした日本のロッカールームの写真を見れば一目瞭然だ。

海外の報道機関もファクトチェック

昨日のドイツとの試合後の日本チームのロッカー ❤️

Twitter: @FIFAWorldCup_JP

ドイツ戦後の日本代表のロッカー

ゴミが散乱したロッカールームの写真を巡っては、既に海外のメディアやファクトチェック機関が「日本代表ではない」と誤りを指摘している。

そのうちの一つであるAP通信は12月1日、写真は3月のものとしたうえで、次のように記事を配信している。

「イタリアサッカー連盟の広報担当者は、(ゴミが散らかったロッカールームの)写真がイタリア代表が使用するパレルモ(都市)のロッカールームであることを確認」

つまり、ゴミが散乱したロッカールームの写真は、イタリア代表が北マケドニアに負けてW杯出場を逃した時のものだった、ということだ。

なお、イタリア代表は当時、この件に関して謝罪しているという。

Twitter: @FIFAWorldCup_JP

コスタリカ戦後の日本代表のロッカー

次の相手はスペイン

サッカー日本代表は11月23日、ドイツを2-1で破ったが、27日のコスタリカ戦は0-1で惜しくも敗北した。

次は12月2日午前4時、スペインと激突する。



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