経済産業省は8月30日、レギュラーガソリンの店頭価格が1リットルあたり185.6円となり、史上最高値を更新したと発表しました。都道府県ことの販売価格の平均値も公表され、1リットルあたり10円を超える差も見られています。
1990~2023年のレギュラーガソリン価格
経産省の発表によると、今週(8月28日時点、全国平均)のガソリンの店頭価格は、前週と比べで1.9円値上がりし、1リットルあたり185.6円でした (日本エネルギー経済研究所石油情報センター調査)。2008年8月に記録した最高値185.1円を超える結果となっています。
地域差は……?
ガソリン価格は地域ごとにも差があります。経済産業省の発表した石油製品価格調査の給油所小売価格調査から、都道府県の平均値をランキング形式でをご紹介します。
レギュラーガソリン価格の高かった上位3県/8月28日時点
高かったのは、
1位:長野県の194.0円
2位:鹿児島県の191.6円
3位:長崎県の191.1円
と続きます。190円を超えたのは、4位の山形県まで含め、4県でした。
レギュラーガソリン価格の安かった上位3県/8月28日時点
一方、安かったのは
1位:岩手県の180.9円
2位:青森県の181.0円
3位:徳島県の181.5円
となりました。182円を下回ったのは、この3県のみ。先週まで180円を下回っていた県が3県ありましたが、今回の調査では全て都道府県単位では180円を超えました。
レギュラーガソリン価格の都道府県ランキング/8月28日分
地域格差の理由は……?
なぜ、これだけ地域差がでるのでしょうか。
一般的には、主に輸送コストの違いといわれています。岩手には県なども出資した巨大なオイルターミナルがあり、コストを抑えられています。
一方、海に隣接していない長野では、貨物列車で油槽所に運んで、それから山間をタンクローリーを走らせて……とするのに費用がかかります。離島の多い、鹿児島、長崎、沖縄も輸送にかかるコストがかかっているようです。
ただし、経産省が7月に公表した6月分の調査では、輸送費などを含む卸価格の差は、5円未満にとどまっていました。ガソリンスタンドのある地域ごとの、競争環境の違いも販売価格の地域格差に大きく影響をあたえるようです。
ガソリンスタンドへのレギュラーガソリンの卸価格の都道府県ランキング/ 2023年6月分
本来なら去年の方が高かった?
政府は2022年からガソリンや、軽油、灯油などに補助金を出しています。経産省の資料によると、過去最高を更新した2023年よりも、2022年の方が多く補助金を支給しています。
このため、補助金がなかった場合は1リットルあたり200円を超える価格が続いた2022年の方が、本来なら販売価格は高かったことになります。
補助金を開始した2022年からのガソリン価格の推移
【訂正:8月30日16時30分】
当初、本文中で高かった3位を山形県と記載していましたが、正しくは長崎県でした。お詫びして訂正いたします。