リース・ヤーブローさん(20)は、米ミズーリ州に住む大学生だ。スターバックスの店員としても働いている。

ヤーブローさんは、「ゴールデンハー症候群」という形成異常などを伴う病気で、生まれつき耳が1つしかない。
顔の右半分の形成に異常があったヤーブローさんは、7回の顔面矯正手術を受けたという。中には11時間に及ぶ手術もあったと、彼女はBuzzFeed Newsに語った。
「(右耳がないため)右側は完全に聞こえません。そのため、骨伝導で音を伝える骨固定型補聴器(BAHA)を使っています」
先日、ヤーブローさんは「どうやってマスクを着けるのか」という質問を受け、ある動画を投稿した。
普段は人工耳を付けているためマスクの着用は難しくはないが、この日は人工耳を付け忘れたという。
「イライラしましたよ。夕飯を作ろうとしていた時に買い忘れに気付き、急いでお店に向かったのですが、途中で人口耳をつけ忘れたことに気づいて」
ヤーブローさんが動画をTikTokに投稿したきっかけは、自分と同様に片方の耳がない女性@Lentukの動画を見たからだという。
「ただただ驚きました。私と同じような人を、これまでに見たことがなかったので」
ヤーブローさんが恋人のザックさんに@LentukさんのTikTokアカウントを教えたところ、ザックさんはヤーブローさんにもやってみるよう後押ししてくれたという。
「私は@Lentukさんの動画を真似しただけですが、自分が投稿した動画に少し注目が集まってきたころ、(スマホ落下防止アクセサリーの)ポップソケッツと、コマンドフックを耳がわりに使ったらどうかというコメントが来ました」
ヤーブローさんは、後日ウォルマートに行った時にそのコメントを思い出し、まずは試してみようと思ったという。
「人工耳以外は使ったことがなかったので、どんな感じになるかワクワクしていました」
そして、実際に試してみた動画をTikTokに投稿した。
実際に付けてみるとどれも痛くはなく、人工耳と似た感覚ではあったものの吸着力はあまりなかったと、ヤーブローさんは語った。
「ポップソケッツはかなり頑丈でした。付け心地もよかったです」
「取り外しも簡単だし、跡が残りません」
自分の姿に笑いが止まらなかったと、ヤーブローさんは話す。また彼氏のザックさんは、動画が拡散されると感じていたという。
ヤーブローさんがポップソケッツを付けた動画は246万回以上、人工耳を付けた動画は191万回以上も再生された。
「私の生活は多くの人とは違っていることを、よく忘れます」
「ポップソケッツを付けてマスクを着用する動画が、こんなにも注目されるとは思ってもいませんでした」
ヤーブローさんは、同じような背景の人からの応援の声を多く受け取ったと話す。
「私の動画にたどり着いて、『私も耳が一つしかありません』といった話を、世界中から多くの人がしてくれています」
「また『私も耳が一つしかない人を知っている』といった話や、私にインスピレーションを与えられたと話してくれた人もいました」
「正直、とても感動しています。今では私と同じような人々と繋がることができたので」

この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:吉谷麟