パソコンを触っても、スマホを触っても私たちを妨害してくる手汗。どうしたら止められるのでしょうか?
ネットで調べると「ミョウバン水を塗る」「塩化アルミニウムを塗る」といった対処方法が出てきます。
3日間ずつ試してみました。
どちらも全然効かない!
ツイッター上でも効かない、という声がちらほら。あれ? なんで?
お医者さんに聞いてみた
——ネットでよく見る「手汗」対策。私も試したのですが、効果がないんです!どうしてですか?
いまは薬で治せる「完璧」な治療方法はないんです。
——そんな! では何を使ったらいいのでしょうか?
手汗はまず、グレード1〜3に分けられます。
グレード1:手のひらが濡れるぐらいに発汗するが拳を握っても汗が滴下しない
グレード2:拳を握ると汗が滴下する状態
グレード3:手のひらを開いていても汗が滴下します。
病院や、インターネットでも買える「塩化アルミニウム液」はグレード1の人に効果があると言われています。しかし、効果がでる人とでない人、個人差が出てしまうことが難点です。およそ5割の人に効果がないと言われています。
また、使い続けても治るわけではありません。水で流すと落ちてしまうので、お化粧と同じですね。
——よく聞く「ミョウバン水」はどうですか?
ミョウバン水は「汗の臭い」に効果があるモノです。臭いの原因は、汗と雑菌がまざること。雑菌を抑えるミョウバンは消臭になるんです。
“手汗を止める”にはほとんど効果がない、と言っていいと思います。
どうして、良い対策方法がないの?
——我々のように、手汗に苦しむナイーブな人間はどうしたらいいのでしょうか。
ナイーブ? よく、手汗は「精神のもちよう」と言われますが、そんなことはありません。「風邪をひいてもないのに鼻水がたれる」のと一緒で、治療に保険適用もされる「身体異常」なんです。
——あれ? 性格や気質は関係ないということですか?
緊張しても手汗がでない人はたくさんいます。多くでてしまうということは、汗を管理している交感神経が人より“異常”な働きをしているから。いくら精神安定剤を飲んでも、根本的な解決にはなりません。「多汗症」というちゃんとした病気なんです。
異常な働きをする交感神経(イメージ)
病院ではどうしてる?
病院では、まず手汗のグレードを見極めて、程度が軽ければ塩化アルミニウムを試してもらいます。
改善しなければ、イオン導入法。手をやけどさせて、汗の分泌腺を狭める方法です。しかし、これも2〜3日しか持ちません。結婚式など大事な日の前に受ける方が多いです。
——小手先の対策でどうにかなる話じゃないんですね。
そうです。グレードが低い人には、気にしないようにすることをすすめます。完全に止めるにはやっぱり手術。異常な働きをしている交換神経を止めるしかないんです。
——でも、手術って大事すぎて…。
手術にまつわるいろんな不安も病院で相談できます。どうしても気になる方は、まずは自分がどの状態にいるのか? 医師に診てもらうだけでも、安心できると思います。
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