「誰かの救いになりたい」小林麻央さんがブログで伝えた大きな愛 海老蔵さんが語る別れの瞬間

    「私は彼女の耳元で、この世にあるありとあらゆる言葉を、かけました」

    歌舞伎俳優、市川海老蔵さんの妻、小林麻央さんが亡くなった。34歳だった。

    23日朝、「人生で一番泣いた日」「マスコミの方々もお察しください」とブログを更新した海老蔵さん。記者会見を待たず、昼前には報道各社から麻央さん死去の報道があった。

    海老蔵さん自身は、東京・渋谷のシアターコクーンで上演中の「ABKAI 2017~石川五右衛門 外伝~」の12時からの公演に予定通り出演。会見は、昼公演と夜公演のあいだにおこなわれた。

    「愛してる」の言葉を残して

    昨日(22日)夜、妻・麻央が旅立ちました。

    思った以上にみなさまに伝わったのが早く、多くの方にご迷惑がかからないように、また妻のことを応援してくださった皆様に向け、急きょこのような形でお集まりいただきました。

    私は昨日も舞台で、終演後も撮影や稽古がございまして、その折に(麻央さんの)お母様からLINEをいただいておりました。1時間半ほどしてから見た内容は「具合が悪い」「お医者様も来ている、家族を呼んだほうがいい」と。

    慌てて家に帰った時、まだ麻央はこの世にいてくれました。一昨日までは喋れていたのですが、昨日は呼吸が苦しそうで。会話もなかなか。

    不思議な話なのですが、息を引き取る瞬間、私は見ていました。旅立つ間際に「愛してる」と、そう一言、彼女は言って……そのまま旅立ちました。……泣いちゃいますよね。

    愛されていたのはよくわかっていたのですが、最後の最後まで愛してくれていたことに……なんとも言えませんね。

    私は彼女の耳元で、この世にあるありとあらゆる言葉を、かけました。

    幼い子どもたちへの思い

    病院ではなく自宅で見送れたのはよかったと思います。麻耶さんもお母様も、そして子どもたちもずっと側にいられたので。家族とともに一緒にいられた時間は、かけがえのない時間でした。

    麗禾(5歳)は昨日、ずっと麻央の側を離れませんでした。認識はしていると思います。勸玄(4歳)はまだ……わかっているんですが、わかっていないところもあると思います。

    今日の朝、麻央が横になっているところで、2人が顔を触ったり、足をさすったり、手を握ったり……そういうところを見ると、私が今後背負っていくもの、やらなくてはならないこと、子どもたちに対してとても大きなものがあるなと痛感しました。

    5歳と4歳ですから、これから「お母さん」という存在は重要じゃないですか。僕は代わりにはなれないですけれど、できる限りのことをやっていかなくてはと思いました。

    「誰かの救いになりたい」麻央さんの愛

    元気になったら、自分が歩んできた乳がんの過程やそれに伴う病に関して、ああしたいこうしたい、多くの人の救いになる存在になりたいと言って闘病していました。それでブログも始めました。

    同じ病の人たちや苦しんでいる方々と、苦しみや喜びを分かち合う妻の姿は、人ではないというか……すごい人だな、と。総合的に彼女に教わったこと、そして今後も教わり続けることは「愛」なんだと思いますね。

    この会見も、麻央のブログや存在で励まされた方がいらっしゃったということで開かせていただきました。そうでなければどうかと思いますが……。

    麻央のことを応援してくださった方、ともに闘ってくださった方、彼女はずっと皆様のそばにいると思います。ありがとうございました。

    「来世も再来世も一緒に」

    私をどんな部分も、どこまでも、愛してくれていたんだなと。

    できればずっと一緒にいて、私の方が先に逝って、彼女には家族やお友達ともっと幸せに、そして私が役者として成長していく過程をずっと見守ってもらいたかったです。

    (2010年、海老蔵さんから麻央さんへのプロポーズの言葉は「来世も再来世も一緒にいよう」だった)

    その話もしました。気持ちは変わりません。僕が愛想尽かされないようにしなくてはならないですね。

    覚えている彼女の表情は、全部ですね。初めて会った彼女から今日の朝まで、全部です。


    海老蔵さんは25日まで「ABKAI 2017~石川五右衛門 外伝~」に、7月3日からは歌舞伎座「七月大歌舞伎」に出演する。

    「七月大歌舞伎」では4歳の勸玄くんと共演。麻央さんも息子の出演を心待ちにし、16日のブログではこのようにつづっていた。

    勸玄が、7月大歌舞伎の夜の部に出演させて頂くことになりました。白狐のお役で、最年少の宙乗りに主人と共に挑戦致します。

    ブランコもまだゆっくり座っているのに心配ですが、本人は飛ぶ気のようで。

    皆様 ぜひあたたかくご観劇、見守って頂けましたら幸いです。

    (役を楽しんでもらおうと、白い狐のお面に隈取を描いて遊んでいる時に)

    「かんかん、キツネさんいいねー!」と盛り上げてみると、「これは、ネコだよ!」、、、と。

    「?かんかん、それはキツネだよ。」と返すと、

    「ちがうよ!!ネコだってば、ママ!」

    「いや!白いキツネだよ。」

    「ネーーーコーだってばぁ!!プンプン」

    と、少し言い合いになってしまいました。

    【関連記事:マスコミに配慮を求め続けた海老蔵と麻央さんの1年間 「ご報告することも一つの義務」