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「車でマスク探し」「ひたすら映画三昧」新型コロナ流行後の中国、どんな感じ?現地の日本人に聞きました

「私はひたすら映画を観ていますが、周りの中国人の皆さんは家族で麻雀をしたり、壁一面に鶴の絵を描き始めたりしていました」

コロナウイルス流行後の中国はどんな感じ? 中国在住の方が現在の生活の様子をまとめたツイートが話題を呼んでいます。

今、現地はどんな状況? 仕事も休み、外出もできない中で何をしているの?

BuzzFeed Newsは、このイラストを投稿した週末北欧部ことchikaさん(@cicasca)に詳しくお話を聞きました。

まさかの17連休にびっくり!

chikaさんは、広東省の広州在住。武漢からは約1000キロ南に位置する都市です。

――まさかの17連休、驚きますね……。これだけ長く休みになることにはいつ知らされたのでしょうか?

休暇に入る前はここまで長期になる予感はまったくなかったです。その当時はマスクをしている人もいないくらいでした。

実は今回の休暇延長は2度あり、最初は1月27日に「2月1日まで延長します」とお知らせが、その後流行の拡大を受け、「9日まで」と通達がありました。

みなさん休みが延長になる度にフライト変更をするので、航空会社の電話が通じず混乱していたようです。中国国内のフライトチケットはキャンセル料金が免除されるなどの対応があったと聞きました。

中国は都市で働く人たちの多くが、地方の実家で家族と旧正月を過ごすため、早めにお休みを取る方も多いです。私もこのタイミングで少し長めに有休を取っていたので、実際は21連休中です……ほとんど引きこもり生活になっています。

――「なんとか売り切れ前にマスクを手に入れた」とのことですが、まだまだ品薄ですか?

中国人の皆さんと一緒に、車で複数店舗を巡る「マスク探しの旅」に出ました。

ほとんどの店舗の入り口には「マスクありません」と張り紙がされているのですが、みんな念のため「マスクないですか?」と店員さんに聞きながら巡ります。

最終的には薬局ではなく地元のスーパーでマスクを見つけ、市場価格よりも少し高いマスクを購入しました。店によっては薄いマスクを1枚600円で販売しているところもありました。

高額転売は現在も見受けられますが、私の周りの中国人のみなさんは「もう少ししたら価格も落ち着くだろうから、高値で大量購入はしないでおこう」と購入を控えていました。

街から人が消えた

――自炊されているということは、スーパーで食材を買うことはできるんですね。

自宅近くにイオンがあり、そこでは生鮮食品も適正価格で入手することができます。ただ午前中に行かないとお目当の野菜や卵が品薄になるので、買い出しは午前中にしています。

街を歩く人は少ないですが、スーパーは頑張って営業してくれています。近くのタピオカミルクティ店やラーメン店などは引き続き営業停止している店も複数あります。

「ヒマすぎて」鶴の絵を描く!?

――外出できないと、娯楽も限られると思います。周囲の皆さんはどんな風に過ごしているのでしょう?

私はひたすら映画を観ていますが、周りの中国人の皆さんは家族で麻雀をしたり、壁一面に鶴の絵を描き始めたりしていました。

――鶴の絵! お国柄を感じますね…!?

こんな感じです(笑)。

ある中国人家族の家族WeChat(LINEのようなトークアプリ)に参加させてもらっているのですが、日々「今こうして過ごしているよ」「こんな面白い動画見つけたよ」「この予防策が効果的らしいよ」「日本がこんな支援をしてくれている」など、大量のメッセージがやりとりされており、見ている私も励まされます。

「飲みに行きませんか?」

――「現地日本人からやたら飲みの誘いが来る」は予想外でした。そもそも飲みにいけるような場所はやっているのでしょうか?

「こんな時期だからこそ、皆様のために営業中です」をPRしている店舗もあり、飲みに行ける場所があるようです。私はさすがに行かないですが……!

――「中国国内はきっと大変だよな…」と漠然と思っていたのですが、お話聞いていて、比較的落ち着いていることがわかりました。

おっしゃる通り、日々多くの情報が発信される中で、特に日本の両親からは毎日長文で「この情報は中国でも知れるの?」「早く帰国した方がいいんじゃないの?」「食べものは足りているの?」とLINEが届きます。「こちらは想像するより落ち着いているので安心して」と伝えるのが何より大変でした。

出来ることは限られていますが、これ以上の感染拡大の当事者にならないよう最善の対策をしながら過ごしたいと思います。