日本小児科医会は5月25日、「2歳未満の子どもにマスクを着用するのは危険」と呼びかける啓発ポスターを公表しました。

新型コロナウイルスの感染防止のため、今多くの人が身につけているマスク。
しかし、小さな子どもにとっては、マスクをつけること自体に別のリスクが生じます。
同団体は、乳児のマスク使用で心配されることとして、以下の点をあげています。
・乳児の呼吸器の空気の通り道は狭いので、マスクは呼吸をしにくくさせ、呼吸や心臓への負担になる
・マスクそのものやおう吐物による窒息のリスクが高まる
・マスクによって熱がこもり熱中症のリスクが高まる
・顔色や口唇色、表情の変化など、体調異変への気づきが遅れる
また、世界的に見ても「子供の新型コロナウイルス感染症は今のところ心配が少ない」としています。
・子どもが感染することは少なく、ほとんどが同居する家族からの感染である
・子どもの重症例はきわめて少ない
・学校、幼稚園や保育所におけるクラスター(集団)発生はほとんどない
・感染した母親の妊娠・分娩でも母子ともに重症化の報告はなく、母子感染はまれ
参考として、米国疾病予防管理センター(CDC)やアメリカ小児科学会の同様の見解も紹介しています。

熱中症に注意
これから夏に向かい、暑くなる季節。子どもは大人よりも熱中症になりやすいのでその点でも注意したいところです。
環境省と厚生労働省も5月26日、マスク使用頻度が上がるこの夏は例年以上に熱中症に注意するよう呼びかけました。
「気温・湿度の高い中でのマスク着用は要注意」「屋外で人と十分な距離(2メートル以上)を確保できる場合はマスクを外すことを推奨」としています。
