このシーン、服を脱がせたいだけ…。「セックスシンボル」と言われる俳優たちの意見

ハリウッドでは女性の「性的対象化」が問題になっている。しかし、男性の場合は？ロブ・ロウやヘンリー・カヴィルなど有名俳優が、身体を性的な目で見られることについて意見を述べた。

「対象化（Objectification）」「性的対象化（Sexualization）」って？

Laurence Monneret / Getty Images

「対象化」とは、個性や本人の意志に関わらず、人を消費・搾取して「モノ」的に扱うことを広義的に指す。

「性的対象化」の場合、例えば映画やドラマなどに出演する役者やその身体を、物語の軸や演出の必要性などを無視して、性的魅力な魅力（のみ）を強調させること。人を「セックスシンボル」として扱う行為や考え方が問題になっている。

近年のハリウッドでは、女性が過度に対象化される点や、女性の性的搾取を疑問視する機会が増えている。

そんな中、「男性の性的対象化」も取り上げられるように。

Jay Maidment/Paramount Pictures / courtesy Everett Collection

「性的対象」として見られることについて明かした、4人の俳優の発言を紹介する。

1. 「これは、ただ自分に服を脱がせるためだけのシーンだ…」

Ivan Romano / Getty Images

ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』のロブ・スターク役で知られる俳優のリチャード・マッデン。

マッデンは、以前経験した性的対象化にまつわる出来事についてVogueの取材に語っている。

ある作品の撮影中、裸のシーンが多いと感じていたマッデン。撮影が好きではなく、裸のシーンを減らそうと苦慮していたという。

「台本の最初の15ページを読んだところで、『シャワーを浴びている』というト書があった」

「その瞬間、自分の服を脱がせるためのシーンなんだと悟った」

「そしてこう思いました。『いいですよ。このシャワーシーンに何か重要な意味があるなら脱ぎますけど、何もないなら脱ぎませんよ』と」

Samir Hussein / WireImage via Getty Images

マッデンは、ハリウッドや映画業界が変革の時を迎えていると説明する。

以前までは女性しか対象にされていなかった「性的対象化」にまつわる議論が、男性をめぐっても行われ始めているという。

さらにマッデンは、減量しなければならないプレッシャーについても話す。女性俳優と同様に、男性俳優にも体型に関するルールがあるという。

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「作品に出てくるのは、非現実的な体型です」

「俳優仲間と、とあるシーンのためにほとんど食べず、炭水化物を抜き、1日2回のトレーニングをしていました」

「やっていたのは、僕たちの主義や信条に反する『減量の強制』だと気づきました」

2. 「体を褒めてくれるのは嬉しい。でも性的な目で見る必要はない」

Clay Enos / Warner Bros. / courtesy Everett Collection

映画『スーパーマン』の主役を演じたヘンリー・カヴィル。カヴィルも「セックスシンボル」として見られる点について発言している。

今はシャツを脱ぐことに抵抗はないというカヴィルだが、性的対象として見られるのは喜ばしくないという。

「スーパーマンの撮影のためにかなり努力した。もちろん、シャツを脱ぐつもりだし。もしみんなが僕の裸を見たいなら、僕は構わない」

Mike Marsland / WireImage via Getty Images

「体を褒めてくれるのは嬉しいよ。でも性的対象として見るのか？」

「それはありえない行為だよ」

カヴィルは、「リスペクトを持って見てほしい」とも語る。

Mark Cuthbert / UK Press via Getty Images

「僕がファンの女性の横を通ったとき、『ねえ！（カッコよくて）好きになっちゃった』って女性が誘う」

「もしこれが逆で、男性がこんな感じで女性を誘ったらどうなるか考えたことある？」

「僕が女性から言われたら、なんとも怖いと感じないけど、逆の立場だったら女性たちは怖く感じるよね」

「だから、僕はどう言われても構わない。ただ、他人へのリスペクトを持ってほしいんだ」

3. 「気持ちが不安定な原因は、性的対象として見られ続けていたから」

Barry King / WireImage via Getty Images

映画『アウトサイダー』やドラマ『ザ・ホワイトハウス』に出演した俳優のロブ・ロウも、性的対象化について話している。

「デビュー時は、10代のアイドル俳優でした。いつも気持ちが不安定で、なんでこんなに不安定なのかわからなかった」

「何年も心理療法を受け、断酒もした。そして不安定な自分と向かい合ってきた」

「そして気づきました。自分が性的対象として見られているのが原因だと」

4. 「SNSで性的なメッセージが…」

Enda Bowe / Hulu / Courtesy Everett Collection

いま話題の若手俳優、ポール・メスカルも性的対象として見られることについてコメントを出している。

特にドラマ『Normal People』では、裸でのシーンが多いキャラクターを演じていたポール。

ELLE誌の取材に対し、撮影は簡単ではなかったと話す。

「SNSで性的なダイレクトメッセージがたくさん届きました。あえて読まないようにしています」

Jeremy Chan / Getty Images

「だからといって映画業界から離れるつもりはありません」

コメントは、一部読みやすさのために編集してあります。

サムネイル：Getty Images

この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳：髙島海人

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