これまでにも何かと世間を騒がせている、ラッパーのイェ(Ye)ことカニエ・ウェスト(45)。
共和党保守派のトランプ支持者としても知られており、 2018年にはホワイトハウスを訪れ、トランプ前大統領と会談したことで話題になりました。
同年には、アメリカのエンタメ番組TMZの生放送で、奴隷制は「(黒人による)選択だった」と語り、大きな議論を引き起こしました。
その後、カニエはラジオ番組のインタビューを通して、発言を謝罪。
そして10月3日、カニエはフランス・パリで開催された自身のアパレルブランドのイベントに参加。しかし「White Lives Matter(白人の命も大切だ)」と書かれたTシャツを着ていたことから、再び大きな議論を引き起こしています。
「White Lives Matter(白人の命も大切だ)」というフレーズは、「Black Lives Matter(黒人の命は大切だ)」運動に対抗してつくられた言葉です。
アメリカ自由人権協会(ALCU)は、Black Lives Matter運動を「2013年から始まった複数の黒人団体の活動の集大成」だと定義しています。
2020年に起きた「ジョージ・フロイド事件」で、Black Lives Matter運動は再び活発化しました。
こうした経緯から、カニエが「Black Lives Matter」と対をなす「White Lives Matter」と書かれたTシャツを着たことが批判されています。
「炎上商法だ」「白人と黒人に二分しない『人種の統合』をメッセージとして伝えたいのでは」といった意見もありますが、特にカニエと同じ黒人コミュニティーからは、カニエの行動を悲しむ声が多くあがっています。
「多くの人が、カニエ・ウェストの『White Lives Matter』Tシャツはただの荒らし行為かマーケティングだと言い訳しようとしている。たしかにそうかもしれないが、彼のようにたくさんの人への影響力を持つ人が送るには、危険なほどバカげたメッセージだ」
「黒人コミュニティのことなんかどうでもいいって、カニエは3ヶ月ごとにみんなに見せて、伝えている」
「イェとキャンディスがあのTシャツを一緒に着ているのを見ると、心が痛む」
カニエは今回の件について、コメントを発表していません。
この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:吉谷麟
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