外出禁止になった国々の生活の実態。日本人家族の不安とは?

    新型コロナウイルス感染拡大の影響で、外出禁止の措置をとる国が増えています。そこに暮らす人々はどんな生活を送っているのか。海外在住の日本人を取材しました。

    新型コロナウイルスの感染拡大で世界に広がる「ロックダウン」(都市封鎖)。

    生活や経済などへの影響が著しくなる、こうした外出禁止などの措置。

    これらがすでに実施されている国に暮らす人々は、どのような生活を送っているのでしょうか?

    BuzzFeed Newsは、インドとスペインで生活している日本人を取材しました。

    3月25日から総人口13億人を対象に「全土の封鎖」が始まったインド。罰則付きの厳しい移動制限を導入されています。

    デリー在住の金田彩花さんはBuzzFeed Newsの取材にこう語ります。

    「特に買い占めなども現時点では見られず、そこまで混乱しているようには見受けられません。今のところは生活必需品を買うなど、必要不可欠な外出は許可されています」

    しかし、不安も広がっているといいます。

    「未知のウイルスへの不安や恐怖から少しネガティブになっている人もいます。長期間の様々な閉鎖・自粛をしていかなければいけないので、人々の不安や不満が爆発しないかどうかが心配です」

    「またインドはインフラが弱く、普段から断水や停電が起こるので、それらがこの非常事態と重なると、精神的にもなかなか厳しいかなと思います」

    金田さんは「狭い日本人のコミュニティなのでそれぞれ情報共有しながら助け合っています」と語りました。

    憲法に基づく「警戒事態宣言」を発令し、全土に移動制限を出したスペイン

    「ヨーロッパの状況が日々悪化していますが、多くの人たちは粛々と自宅待機しています。友人たちと『それぞれが残りの日々頑張ろう!』と励まし合っている状況です」

    そうBuzzFeed Newsに語るのは、スペインのバルセロナ在住のJさん。スイス人の夫と、17歳と14歳の息子2人と暮らしています。

    バルセロナでは「外出する際は、外出証明書を携帯するように」と当局から指導があり、犬の散歩と食料や薬の買い物以外は、外出ができないといいます。

    「一応は外に出られますが、公園も全てテープで封鎖されています。出勤してる人たちもいますが、1/10以下に減った感覚です。バスやトラムもガラガラです」

    家の近くのスーパーでは「買い占めは最初からあまりなく、食糧に困ることはありません」。とはいえ、感染症拡大防止の取り組みはそうした場所でも徹底されています。

    「店舗によって対策は違いますが、手をアルコール消毒した上で、ビニール袋を渡され、店内のあちこちにラインがあって、1m以上の間隔を開ける事などを指導されています」

    家で過ごす時間が増えているなか、Jさん家族は「家族で家の中で体操をしたり、バルコニーに出て日光に当たったり」して体調管理をしているとのこと。

    外出禁止の措置と同時に休校になり、息子たちは「オンライン授業やネット上での宿題の提出などで、自宅学習をしている」そうです。大学進学を控える長男の試験が中止になるのでは、と不安も募ります。

    Jさんは「バルセロナは観光で潤っている都市なので、経済打撃はすでに大きいし、その後の治安の悪化が心配です」とも語りました。

    日本ではまだ、外出禁止などの措置はとられていませんが、感染が拡大しないように外出自粛など、出来ることを徹底していきたいですね。