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アメリカ男子競泳金メダリストの「強盗事件」と嘘

なぜこういう話になったのかは分かっていない。

ロクテはリオで強盗にあったと証言した。14日早朝、ロクテを含む米リレーチームの4人でいたところ、銃を突き付けられ、金を奪われたというのだ。しかし、この話はその後、嘘だとわかった。

監視カメラの映像などから、これまでの流れを見てみよう。

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監視カメラの映像では、トイレ近くの廊下を歩きまわっている4人が見える。しかし、何が起こっているのかは、はっきりとは分からない。

トイレから出て、男性たちがタクシーに再び乗り込んだところに、スタンドのスタッフがやってくる。男性たちはタクシーから出て、一人は手を挙げている。

ブラジル警察は18日の記者会見で、ガソリンスタンドのスタッフや警備員が、選手たちに通訳者を通じて、選手たちがトイレのドアや鏡を壊したので、弁償してほしいと伝えた、と話した。

警察によると、選手たちは20ドルと100レアル(日本円で約5000円)を渡し、選手村に戻っていったという。4人のうちロクテが最も攻撃的で、明らかに酔っ払っているようだったという。

警察は、選手たちがあまりにも攻撃的だったため、警備員が一時彼らに向かって銃を構えたことは事実だとも付け加えた。

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午前9時27分。ロクテが銃を突きつけられ、強盗被害に遭った、とFOXスポーツが報道。

BREAKING: @USASwimming Gold medallist Ryan Lochte has been held up at gunpoint at a party in Brazil. Details on @FOXSportsNews 500.

午前10時27分。国際オリンピック委員会(IOC)の広報担当者がロクテの話は「事実ではない」と話す。

IOC director of comms Mark Adams has just said Lochte gunpoint story is "not true."

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午後12時45分。ロクテはNBCの取材に、警官のフリをした強盗が額に銃を突きつけたと話した。これが、ロクテが公に語った最初の証言だ。

タクシーに乗っていたら、警官のバッジをつけた人たちに、車を路肩に止めるように言われた。銃を突きつけられ、他の3人の選手たちに地面に伏せるように言ったので、3人は言う通りにした。私は拒否した。自分たちは何も悪いことをしていないのだから、地面に伏せる理由はないと思った。

そうしたら、額に銃を突きつけられて「伏せろ」と言われた。私は手を挙げ、どうにでもしてくれ、という気持ちだった。男は金を奪った。財布は取られたが、携帯電話とIDは置いていった。

午後5時57分。ロクテはTwitterで自分たちは被害者であると強調した。

Tom Pennington / Getty Images

「心配してくれて、サポートしてくれた家族や友達、ファンに心から感謝したい。日曜日の早朝、自分とチームメイトが強盗被害にあったことは事実だけれど、無事だったということが何よりも重要だと思っている。アメリカを代表してリオ五輪に参加し、チームメイトと共に金メダルを獲得したことを誇りに思う。帰国して、2020年の五輪に向けての計画を立てることを心待ちにしている」

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8月18日。NBCとのインタビューで、ロクテは、額に銃を突きつけられてはいないと、話の内容を少し変える。しかし強盗被害に遭ったことは翻さなかった。

BREAKING NEWS: @MLauer reports after speaking with Ryan Lochte directly: https://t.co/YQHTMLeQfi https://t.co/Y6mWRIuwte

NBCのマット・ラウアーが話が変わったことを質問したところ、ロクテは「こんな話を作り上げることはないし、他の選手たちだってしない」と語った。

18日の晩。ベンツとコンガーは強盗話を取り下げ、パスポートを返された。

Mario Tama / Getty Images

ベンツとコンガーの弁護士のセルジオ・リエラはBuzzFeed Newsに、2人の選手は容疑者ではなく、目撃者として聴取を受けたため、パスポートを押収しておく理由がないのだと語った。

18日。米国オリンピック委員会(USOC)は選手たちの行動についての声明を出した。

「4人の選手の行動は到底受け入れられるものではなく、大半のアメリカ代表チームメンバーの価値観や行動を表すものではありません」

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そして、19日。ロクテがTwitterで謝罪した

Twitter: @RyanLochte

「先週末とった行動について謝りたいと思います。あの日の早朝の出来事について、もっと注意深く率直に説明をしなかったことを、そして、多くの選手たちが夢を実現するために参加しているオリンピックで、結果的に競技ではない部分に人々の注意を向けさせてしまったことを、謝りたいと思います。

この言葉を伝えるのが今になってしまったのは、チームメイトが無事アメリカに帰国できることが確かめられるまで、待っていたからです。

言語の壁のある外国で、友人たちと深夜に外出した時に、見知らぬ人に銃を突きつけられ、金を出せといわれるのは、本当に恐ろしいことです。他の人たちが、どんな態度を取っていたとしても、私はもっと責任のある行動をするべきでした。チームメイトや、ファン、ライバルたち、スポンサーのみなさん、主催者のみなさんに申し訳なく思っています。

五輪で自国の代表になれたことを誇りにしてます。だから、今回の状況は避けるべきものでした。自分の立場に責任を感じ、貴重な教訓を得ました。

米競泳チームとUSOCに感謝しています。また、この大会を素晴らしい思い出でいっぱいの大会にするために尽力したIOCの2016年リオ五輪ホスト委員会、そして、ブラジルの人たちに感謝しています。

先週末起きたことについてはすでに多くのことが語られ、多くの人の貴重な時間が使われてきました。だから、今後は競技にまつわる素晴らしい物語やパフォーマンスに時間を費やすことができるようになればいいと思っています。今後の成功を願っています」

ロクテは20日、NBCの番組に出演し、先週末の出来事について「大げさに話しすぎた」と語っている

帰国の途についたチームメイトたちも、口を開き始めた。警察の話とは少し食い違う部分もある。

Angel Valentin / Getty Images

ファーゲンは出国のため、3万5000レアル(約108万円)をブラジルの慈善団体に寄付することに合意。19日にブラジルから帰国の途についた。

ベンツは18日、声明を発表。この中でベンツは「トイレの扉や室内は壊していないはず」としている。

ロクテが強盗被害の話を嘘をついた理由は、わかっていない。しかし批判は広がっている。

ワシントン・ポストは、ロクテの謝罪文について、「誠実さが全くなく、ブラジルを自分が無意識に侮辱していることに気がついていない」と酷評

ニューヨーク・ポストは、ロクテを世界で嫌われる傲慢で醜いアメリカ人を体現していると表現した。

また、ニューヨーカーは「ブラジル人がなぜこれほどまでにライアン・ロクテの一件にこだわるのか」というタイトルの記事を掲載。治安の悪いブラジルの評判につけこんだとも取れるロクテの一件は、先進国に仲間入りしきれないブラジル人の自信の無さを刺激したとしている。

ブラジルの大会組織員会の広報責任者、マリオ・アンドラーダは、ロクテの謝罪を受け、「ブラジルの人々は恥をかかされたと感じていた。謝罪に感謝する。過去のこととしたい」と記者会見で話したとNHKが報じている。また、IOCのマーク・アダムス広報部長は19日の定例会見で、「ブラジル国民が憤慨していることは理解できる」と述べたという

Ema O'Connor is a political reporter for BuzzFeed News and is based in Washington, DC.

Ema O'Connorに連絡する メールアドレス:ema.oconnor@buzzfeed.com.

バズフィード・ジャパン グローバル・アダプテーション・エディター

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Alexandre Aragão é Repórter do BuzzFeed e trabalha em São Paulo. Entre em contato com ele pelo email alexandre.aragao@buzzfeed.com

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