韓国在住でレズビアン(女性同性愛者)カップルのキム・ギュジンさんとキム・セヨンさんのもとに8月30日、第1子となる女の子が誕生しました。
ハンギョレ新聞によると、2人は2019年にアメリカ・ニューヨークで婚姻届を出し、同年11月に韓国で結婚式を挙げました。
提供された精子による人工授精を通じて妊娠し、ギュジンさんは第1子を出産しました。
ギュジンさんは、出産までの道のりは大変なものだったとANN(Asia News Network)に語りました。
「当時働いていたフランスで、人工受精を希望していました。しかし当時、フランスでは、レズビアン(を含めた異性愛者でない女性)や、独身女性の体外受精が合法化されたばかりだったため、提供できる精子が不足する事態が起きました。1年半以上待たなければならないと言われたので、驚きました」
フランスは2021年6月、それまで異性カップルのみが対象だった人工授精や体外受精などの生殖補助医療を、独身女性や女性の同性カップルにも拡大する法案を可決しました。
ギュジンさんはその後、ベルギーの不妊治療専門病院で人工受精を行いました。
親になった2人ですが、韓国では法的に同性婚は認められていません。そのため、生みの親でないセヨンさんは、娘の親権者として認定されていないといいます。
カップルは、娘が学校に通いはじめるまでの「8年間」で、韓国に存在する同性愛者の家族への偏見を変えたいと願っています。
「自分と妻、そして韓国社会に8年というタイムリミットを設定した」とギュジンさんは訴えます。