こちらは、YouTubeやTikTokで大人気のジェシカ・ケントさん(31)。
ジェシカさんがなぜここまでの注目を浴びているのかというと…実は元受刑者だから!
ジェシカさんは12歳から23歳にかけて、薬物依存と闘いました。17歳で初めて、規制薬物を販売した罪で服役します。
ニューヨークで1年服役しますが、その後仮釈放中に再犯、再逮捕され3つの罪(覚醒剤所持、覚醒剤の受け渡し、銃の所持)で起訴されます。そしてアーカンソーの刑務所で、5年服役します。
約7年前、ジェシカさんは出所。9年以上薬物を絶っています。
薬物依存や依存症からの回復、そして女子刑務所での驚きの生活についてオープンに語るジェシカさんのアカウントは、YouTubeやTikTokで大人気に!
ジェシカさんのTikTok投稿から、12の衝撃エピソードをご紹介します。
※あくまでも、ジェシカさん個人がアメリカの刑務所で体験した話です。
1. ジェシカさんは、服役中に第一子を出産しました。手錠をつけられた状態で病院に運ばれ、出産直後もベッドに拘束されていたそうです。
「人生でいちばんトラウマ的な体験だった」とジェシカさんは動画で語っています。
生まれた娘は里子に出されましたが、ジェシカさんは出所後に親権を持ち、一緒に暮らしています。
2. 受刑者は生理がきても、十分にケアを受けられないこともしばしば。
ナプキンやタンポンがないせいで、経血が垂れ流し状態だった受刑者を見かけたこともあるそうです。
刑務官(看守)が新しい服と生理用品を持ってくるまで、何時間もかかっていたとジェシカさんは話します。
3. アーカンソーの刑務所では、タンポンが支給されませんでした。
生理中の受刑者がもらえたのは、1日につきナプキン2〜3枚。「不足しているから」と、支給を拒否されることもあったそうです。
数枚の生理用パッドを、簡易的なタンポンに作り替えて使わざるをえない受刑者もいたとか。
4. 夜ごはんには、「ミートワッド=肉の塊」と呼ばれるものが出されることがありました。メニューにも「ミートワッド」と書かれていたそうです。
何の動物の、どこの部位かもわからない肉が固められたもので、ジェシカさんによると匂いも強烈だったそうです…。
5. 朝ごはんはたいてい、オレンジジュース、牛乳、コーヒー、ドロドロのオートミール、パサパサの卵、カピカピのパン。
「カロリーは十分だったけれど、飲み込むのが大変だった」とジェシカさん。
6. 受刑者たちはピンセットを使うのが許されておらず、糸を使って眉毛を整えていたそうです。
ジェシカさんは、「副業」として他の受刑者の眉毛を整えていました。
7. 面会日や裁判に向けて、服のシワをとりたい…。でも刑務所でアイロンがけはできません。
そんな時は、あるやり方が受刑者たちの中で定番になっていたといいます。
まずは綺麗に服をたたみ、折り目を少し水で濡らします。そしてそのままマットレスの下において一晩か二晩寝かせれば、アイロンがけをしたかのように服がピシッとするんだって!
8. 他の受刑者たちから最も一目置かれるのは殺人罪で服役している人。最も蔑まれるのは、子どもへのわいせつ行為や虐待で捕まった人だそう。
「刑務所にも社会的なヒエラルキーがある」とジェシカさんは説明します。
9. ジェシカさんが服役したアーカンソー州の刑務所では、妊娠中の女性が逮捕された場合、堕胎を選択する権利は受刑者になかったといいます。
10. ジェシカさんが苦労したのは、刑務所での睡眠。大部屋にいたときは、他の受刑者が眠ってからしか安眠できなかったと語っています。
2人部屋のほうがリラックスできたそうですが、刑務所でベッドを乱すのは御法度なので、ブランケットや掛け布団の上に寝なければなりませんでした。
11. ある日、アーカンソーの刑務所でトラブルに巻き込まれたジェシカさん。彼女と他の受刑者への罰は「一列になってひたすら雑草を刈る」こと。
一日何時間もアメリカ南部の強い日差しにさらされ、水分補給も休憩もなく、ただひたすら園芸用のくわで草を刈らなければなりませんでした。
「手が切り傷だらけになって、血が出ていた」とジェシカさんは動画で話しています。
12. 出所日、受刑者は刑務所内で使っていた衛生用品や食べ物などを全て他の受刑者に譲りわたすそうです。
これから「自由な世界」に戻れるというのに、シャンプーなどを持ち帰るのは他の受刑者にとって「失礼な行為」とみなされるとか。
囚人服を脱ぎ、「普通」の服を着て、たくさんの書類にサインして、「外の世界」にやっと出られると話しています。
「刑務所(での体験)は、組織やシステムがどれだけ不条理・不公平になりうるか教えてくれました」とジェシカさん。
この記事は英語から翻訳・編集しました。 翻訳:髙橋李佳子