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約70年前の広告が性差別的だったから、性別を逆に広告を作り直したアーティスト

作品製作のきっかけは、おじが言ったある一言。

エリ・リズカッラー氏は、31歳のビジュアルアーティスト兼写真家。最近、20世紀半ばの性差別的な広告の性別を逆転させた写真シリーズ「イン・ア・パラレル・ユニバース(異世界にて)」を発表した。

夕食を焦がしてしまった場面を描いた広告…

…給仕…

お尻をたたいている。

リズカッラー氏はBuzzFeedの取材に対し、このプロジェクトを始めたきっかけを次のように話した。

2017年の感謝祭、私はニュージャージー州にある自分の実家を訪ねました。そのとき、おじの話が聞こえてきたのです。女性は、料理や台所の手入れといった「女性の務め」を果たした方がいいという内容でした。男性が皆おじと同じような考えでないことはわかっていますが、そのような考え方をする人がまだいることに驚きました。

リズカッラー氏はさらに、「これらの広告は1950年代につくられたものです。私はおじの言葉を聞いた瞬間、これらの広告に描かれているようなことがいまだに、現代社会のあちこちに存在するのだと感じました」と続けた。

「そのとき、私はパラレルワールドを思いつきました。男女の役割が逆転し、男性たちが、自ら吐き出した性差別という毒を味わう世界です」

レバノンを拠点に活動するリズカッラー氏。この作品に込めたメッセージとは。

男女の役割に関する固定観念は、家父長制社会によってつくられたものです。固定観念に縛られている人々が私の作品を見ることで、そうした制約は欠陥だらけだということを視覚的に感じてくれたらうれしいです。

更に「イン・ア・パラレル・ユニバース」シリーズやリズカッラー氏の他の作品を見たい方は、ウェブサイト「elirezkallah.com」やインスタグラムをご覧下さい。

この記事は英語から翻訳されました。翻訳:米井香織/ガリレオ、編集:BuzzFeed Japan