電子レンジの中を見るのは本当にダメなことですか?
ハッキリさせましょう。
電子レンジは素晴らしい発明です。
この魔法のオーブンがあれば、怠け者でも、大学生の年齢の若者でも、料理下手な人でも料理ができるようになります。さらに、残り物を温め直して 、新しくメイン料理にすることができます。
電子レンジを使用中は、中を見つめてはいけない。この話を聞いたことがあるのではないでしょうか?

使用中の電子レンジを覗きこむと、視力が落ちたり、失明したり、ガンになるなど、悪いことが起きると言われたことがあると思います。
しかし、本当に電子レンジはあなたの視力にダメージを与えるのでしょうか?

私たちは電子レンジの中を見ることが本当に目に悪いのか、それともただの迷信なのかを確かめるため、トーマス・シュタインマン医師に連絡をとりました。
シュタインマン医師は眼科医であり、米クリーブランドにあるアメリカン・アカデミー・オブ・オーサモロジーの広報担当です。
電子レンジを見つめると目が温められてしまうという証拠はありません。
「使用中の電子レンジを覗きこんでも、あなたの目が害を受けることはありません」とシュタインマン医師。
この迷信は、電子レンジの放射線が漏れて、健康を害するという、間違った考えから生まれました。

電子レンジは、電磁波(電磁放射線)の一種であるマイクロ波を使って食べ物を温めます。これが食べ物の中にある水分子を「振動」させます。そして水分子が振動すると、熱エネルギーを生み、食べ物が温かくなるのです!
放射線も電磁波の一種ですが、マイクロ波とは別物です。
ある種の電磁波を浴びると、からだによくないことは知られています。しかし、その全てが有害だという意味ではありません。さもなければ、X線やバナナも全部ダメということになっちゃいますからね。
電子レンジは、使用している人が電磁波にさらされて危険にさらされることがないよう、あらゆる安全対策を講じて、設計されています。
電子レンジは1960年代に普及しました。つまり、可能な限り安全で家庭にやさしい電子レンジをつくる方法をエンジニアたちが見つけ出す時間がたっぷりあったのです。
「電子レンジのドアに付いている格子と、ぴったり閉まったドアが、電磁波をブロックしています」とシュタインマンは言います。
この小さな箱の中に存在する電磁エネルギーを見つめると体に害を及ぼすいう理論は理にかなっているようにも聞こえますが、これが電子レンジの仕組みなのです、とシュタインマンは言います。体に害を及ぼす量の電磁波が漏れることは、とくに目の中に入ることはありえません。
市場にでている全ての電子レンジは同じ安全基準を満たさなくてはいけないので、どのモデルを選んでも違いはありません。

低く許容できるレベルの電磁波は確かに存在していますが、私たちの体に害を与えるほどではなく、法的にも、そのレベルを超えるように作られてはいません、とシュタインマンは言います(覚えておいてほしいのですが、私たちは環境からいつも害がないレベルの電磁波を浴びています)。
ところで、電子レンジの中にライトが存在するので食べ物が温められている様子を見ることができます。

電子レンジの中に見えるのは、電化製品についているライトと同じで、オーブンの中にあるのと同等のものです、とシュタインマンは言います。そのライトは、便利な電子レンジの中を見ることができるように備え付けられています。
だから心配しないでください。目の心配をすることなく残り物の状態を確認できます。

「私はこれがただの迷信だと胸を張って言うことができます」とシュタインマン医師。電子レンジが健康全般に与える影響に関する調査は引き続き行われているようですが、1つ確かなことがあるとシュタインマンは言います。過去50年間行われてきた研究では、電子レンジが私たちの体に害を与えないという結果が出され続けているのです。
金属や燃えるものを入れないなど、電子レンジの通常の使い方を守ってください。
電子レンジを正しく楽しく使いましょう!
CORRECTION
原文にあるelectromagnetic radiation(電磁放射線)という単語の翻訳を全体的に見直し、修正しました。