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こんな発想ありかよ…!イタリア人がやってる「サイゼリヤの最強においしい食べ方」とんでもない裏技だった

出張掲載『イタリア人マッシがぶっとんだ、日本の神グルメ』(KADOKAWA)

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書籍『イタリア人マッシがぶっとんだ、日本の神グルメ』より、イタリア人の視点から、日本人も知らない「サイゼリヤ」の秘めたる魅力を綴った章「『サイゼリヤ』の最強においしい食べ方」を出張掲載します。

note「サイゼリヤの完全攻略マニュアル」で話題のマッシミリアーノ・スガイさんによる初書籍です。


マッシミリアーノ・スガイ『イタリア人マッシがぶっとんだ、日本の神グルメ』(KADOKAWA)

「サイゼリヤ」の最強においしい食べ方

 トマト系のパスタにたっぷりのチーズとオリーブオイルをかけて、まぜまぜしてから、もう一度チーズをかけて、さらに軽く混ぜたら最高の味が完成する。「本当に味が変わるの?」と言われたが、食べてもらったら理解してもらえる。アレンジ前のパスタとは全く別物になっているということに。この流れでアレンジを経験した友達はみんな、「まるでイタリアにいるような感覚になった」と口をそろえて言ってくれたのだった。

 僕が“ブルスケッタ”など数々のアレンジを紹介した中で、多くの日本人が驚いたのは“パニーニ”だ。熱々のパンに、サラミ、ルッコラ、生ハム、モッツァレラチーズを挟んで、さらに塩とオリーブオイルをかけると、最高の組み合わせの食べ物になる。食べたらクセになる。思わず、「イタリアへようこそ!」と言いたくなる。

 さらに驚いた人が一番多かったアレンジは、“カルツォーネ”。メニューの「マルゲリータピザ」に「カリッとポテト」を乗せて、塩とオリーブオイルをかけてから折り畳んで半分に切れば、とんでもないうまさの食べ物が生まれる。一回でも食べてしまうと人生が変わるおいしさだ。このカルツォーネは、ネットで僕の記事を見て試して味をご存じの方もいるかもしれない。

 日本人は出てくる料理をそのまま食べる人が多い。調味料の使い方がわからなくて、このようなアレンジをしようという気持ちもなかったと思う。イタリア人らしい食べ方のマニュアルを書いてネットに出したら、多くの人は「イタリアに行ってくる!」という言い方を使い始めていた。もちろん言うまでもなく、みんながアレンジを試していて、こんなに多くの人に喜んでもらえたことがうれしかった。おいしい料理がさらにおいしくなる食べ方で、楽しさも出てくる。その日の口に合わせてカスタマイズできるし、複数の料理をひとつにすることで、すべての味を進化させることができる。アレンジすることで食文化が感じられて、イタリアに興味がない人も興味が出てくるのではないだろうか。

 サイゼリヤの食材や調味料にはイタリア直輸入のものもあり、完全にイタリア人のようにその味とアレンジを楽しめる。イタリアの本場の空間を日本でも再現できる。サイゼリヤはコスパがよすぎて、この値段でこの味、そして好きなアレンジとカスタマイズが自由にできて、イタリア人として感謝している。

 そして、スイーツに目がない僕にとって、サイゼリヤは天国のようだ。デザートも本格的で、イタリアのレストランで食べられる味がそのまま楽しめる。プリンとティラミスが大好きで、「今日はデザートを食べない」と決めていても、ついつい注文してしまう。また、アレンジで「トリフアイスクリーム」を軽く潰してエスプレッソをかければ、“アッフォガート”も食べられる。

 どう考えても、サイゼリヤは最高のレストランだ。最高のアレンジを楽しみながら作って食べられる。毎日食べに行っても飽きない。金額を気にせず、メニューを見ながら「あれと、これと、それも!」と自由にたくさん選ぶことができるサイゼリヤは、食べる楽しみだけではなく、ワクワクする楽しみも経験できる、すばらしい場所ではないだろうか。

 サイゼリヤという日本にあるイタリア料理店を通して、イタリア料理の楽しみを再発見できたこと、そして日本人の「受け入れて楽しむ心」を再認識できたことは、僕にとって人生の宝物となった。

『イタリア人マッシがぶっとんだ、日本の神グルメ』は全国の書店やAmazonで発売中です。