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米軍特殊部隊はシリア反体制派に軍事指導をしている。ただし、非公式に

米軍の部隊がシリア南部に秘密裏に常駐し、反体制派に指導・支援を行っていることが、BuzzFeed Newsが関係筋から入手した情報で明らかになっている。

シリア反体制派リーダーと、現職ならびに元米軍当局者が明かしたところによると、米軍の特殊部隊がシリア南部に派遣され、任務の一環として、IS(イスラム国)と戦うシリアの反体制派勢力に軍事指導と支援をしているという。

米国の支援を受けてISと戦いを繰り広げている有志連合がBuzzFeed Newsに提供した写真には、米国特殊部隊の隊員と思われる兵士が、反体制派の人物とともに写っている。撮影された場所が、戦場なのか、訓練の場なのかはわかっていない。

有志連合とともに働いている民間軍事会社の社員によると、米国特殊部隊は派遣されてから6カ月が経っており、イラク国境付近にあるタンフと呼ばれる秘密基地を拠点としているという。この地域はヨルダンとイラクにまたがっており、専門家の話では、ほかの支配地域を失ったISの兵士が集まりつつある場所だ。

現地にいる米国の部隊は、2つの親米反体制派グループに指導、助言し、軍事行動にも同行している。これは、バラク・オバマ前大統領の政権時に計画された対IS戦略の一環であり、トランプ政権に移行してからも続行されているものだ。

タンフ付近に展開する米軍についての詳細が初めて明らかになったのは4月9日。きっかけは、ISから大規模攻撃を受けた際に、米軍特殊部隊と反体制派兵士、有志連合が空爆を行って撃退したことだった。米国では軍当局者の話として、攻撃を受けた際に米国特殊部隊が現地におり、反撃を支援するために動員されたと報じられた。現地を拠点とする反体制派の指揮官と、有志連合の民間軍事会社は、BuzzFeed Newsに対し、米軍の部隊が同基地に駐留していることを認めた。

民間軍事会社の社員は匿名を条件に、これまで公表されていなかった米軍駐留について明かし、「(米国の部隊は)同地に何日にもわたって駐留している」と話した。「今までは、シリア国内に米軍の個別部隊が滞在できる日数は10日間に制限されていたが、そのルールはすでに解除されたか、まもなく解除される」。しかし、米国国防総省の関係者はBuzzFeed Newsに対し、そういった部隊交替計画の修正や変更予定については認識していないと語った。

米国の陸軍特殊部隊「デルタフォース」(通称)や海軍特殊部隊「ネイビーシールズ」といったエリート部隊は以前から、シリアならびにイラクでの対IS戦略にしばしば参加し、犠牲者も出している。また、米軍は長きにわたり、シリア北東部の別の前線に展開するクルド人主導のシリア民主軍に部隊を派遣してきた。ただし、戦闘が繰り広げられているそういった危険な地域に米軍が常駐しているという情報が正式に発表されたことはない。

民間軍事会社の社員は、米軍が常駐していることを公表することで、その派遣先である反体制派の武装部隊が、近隣で展開するシリア政府軍とその同盟勢力であるヒズボラ、イランの支援を受けるさまざまなシーア派武装組織、そしてロシアから攻撃される可能性が低下するのを期待していると語った。

米軍は幾度となく、シリア、イラク、アフガニスタンでの軍事訓練は前線から離れた場所で行われていると強調してきた。しかし複数の事例からみると、米軍は地元の武装組織と緊密に連携し、危険な状況下で活動を行っているようだ。

タンフにいる反体制派勢力の指揮官Mohannad Ahmed al-Tallaaは、同地の反体制派グループは、2016年後半から米軍との連携を始めたと話す。同氏はかつてシリア陸軍の特殊部隊に所属していた人物で、内戦が始まるとまもなく軍を離脱。その後は、シリア東部のデリゾール県で戦う反体制派で重要な役割を果たしてきた。デリゾール県はISの重要支配地区の1つだ。

Tallaaは、米国主導の有志連合と協力してデリゾールをISの支配から解放するために、「Maghaweir Al-Thowra」(革命部隊)と呼ばれる部隊を組織した。Tallaaは、配下の兵士らとともに現在、米軍と寝食を共にしていると話す。5月9日にBuzzFeed NewsがTallaaに連絡を取ると、「すぐ横に米軍兵士がいる」と話し、その電話口の背後からは米国英語で交わされる会話が聞こえてきた。

Tallaaは、Maghaweir Al-Thowra(革命部隊)は米軍から「素晴らしい武器」の提供を受け(戦車はなかったという)、有志連合は空爆で支援してくれたと話した。また、米軍は、軍事作戦時には定期的に同行していると述べた。「米軍は通常、われわれとともに計画をたて、第二線部隊として作戦に同行している。第一線でわれわれが助けを必要とすれば力を貸してくれる。ISが別方向から攻撃をしかけてくる場合には、米軍がそれを阻止している」

「米軍兵士は大変優秀だ。それに戦略の進め方をよく知っている」とTallaaは述べた。「彼らと肩を並べて戦えることを光栄に思っている」

しかし、米軍の戦地における詳しい軍事行動については回答を避けた。「そういった質問はしないでほしい。口外してはならないことになっている」

Tallaaの話によると、これまでのところ、軍事作戦の大半は小規模なもので、過去3回の作戦では近くの山間部でISの検問所を制圧したようだ。彼らは、デリゾール県にある別の都市アブ・カマルを制圧するためのより大きな軍事攻撃を計画していた。アブ・カマルはイラクとの国境付近にある重要都市で、ISの支配下にある。

Tallaaは同時に、シリア政府軍にも目を光らせていると語った。政府軍は内戦が始まって以来、米軍の支援を受ける反体制派グループに対して攻撃を続けている「(シリア政府軍は)われわれからおよそ70km離れたところにいる。ヒズボラやイラン、その他の武装組織も一緒だ。彼らの旗が見えた」とTallaa。「攻撃されたら反撃しなくてはならない」

シリア南部で米軍と緊密に連携している反体制派の幹部によると、米軍は、「Shuhada al-Qaryatayn」と呼ばれる2つめの反体制グループとも協力し、同地域で軍事作戦に参加しているという。この組織の拠点はタンフからそれほど離れていない。その幹部は匿名を条件に、米軍の機密軍事行動に詳しく触れ、米軍は戦地で、反体制派に対して幅広い支援を行っていると説明した。「自爆攻撃や地雷に対してどう対処すべきか。複雑な地形でどのように移動するか。暗視スコープをどういった場面で使うのか。兵站はどうするのか。体験学習だ。彼らは専門家だ」

民間軍事企業の社員によれば、派遣されている米国兵士は、中東を専門とする第5特殊部隊グループのメンバーで、刷新された「train and equip(訓練と教育)プログラム」の一環として派遣されているという。同プログラムは国防総省が統括しているもので、シリアの穏健な反体制派を現地で訓練して少数精鋭グループを作り上げ、装備を提供してISとの戦闘に投入することを目的としている。しかしこのプログラムは2015年、数億ドルもの予算を得ながら、シリア北部で反体制派の兵士を100名ほど訓練したにとどまった、として厳しく非難された。

シリアとイラクを支援する米国中央特殊作戦軍の広報責任者D・アレン・ヒル少佐の説明によれば、シリア南部の作戦における米軍の関与は複雑なもので、活動的な場合も時にはあるという。ヒル少佐はメールの中で、「助言と支援を提供するのは訓練のみにとどまらない」と述べた。「(派遣部隊は)指導を行うと同時に、入手可能な情報、監視、偵察、兵站、医療、近接航空支援の資源といった支援を必要に応じて提供し、彼らの任務を支えている」

ヒル少佐はさらに、「駐留している米軍は、現地で敵対勢力と直接対峙しているわけではない」と述べた。「彼らは必要に応じて自衛することができる。戦闘地域は情勢が変わりやすく、われわれの軍ならびに連携している反体制派組織の安全が最優先だ。―中略― 緊密に協力してはいるが、米軍は現地の要所を確保・防備するための攻撃的軍事作戦に直接関わってはいない」

ワシントンD.C.に拠点を置くシンクタンク「新アメリカ安全保障センター(CNAS)に所属する、シリアを専門とするアナリスト、ニック・ヘラスによれば、米軍が軍事行動に携わるそうした地域は、ISとの戦いにおいて重要度を増しているという。ISの兵士たちがほかの支配地域から追い出されつつあるからだ。米軍は、「デリゾールの町からシリアとイラクの国境沿いまでの地域が、ISの新たな集結地になっているとみている」とヘラスは述べる。

米国は何とかして、アブ・カマルからデリゾールへ進みたいと考えているのだという。「アブ・カマルを攻略するにはシリア砂漠を通っていくのが一番であり、タンフはそのために欠かせない場所だ」

「米軍は2年以上にわたって、(あなたが説明したような)慎重に選ばれたシリアの反体制派武装組織と協力してきた」とヘラスは言う。「Shuhada al-QaryataynもMaghaweir Al-Thowraも、どちらもとりわけ有力なグループというわけではないが、彼らには真っ先にISと戦おうという意思と、米軍の指導を受けようという意欲がある。そうした姿勢は米軍にとって非常に重要だ。重要な点は、指導を行う米軍を彼らが軍事的に保護できるか、協力して攻撃を行えるか、ということだ。それらと比べれば、組織の規模はさほど大事ではない」

この記事作成には、Munther al-Awad(トルコ)とNancy Youssef(米ワシントンD.C.)が協力しました。

この記事は英語から翻訳されました。翻訳:遠藤康子/ガリレオ、編集:BuzzFeed Japan

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